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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域社会に“仁”を示す
土地建物管理会社

 
 
名高 地域密着型展開という方針もそこから出てくるわけですね。
 
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小山 はい。当社が考える不動産管理とは、オーナー様や管理組合の代理として365日24時間体制で居住者の暮らしを守る管理のことです。漏水や停電、はたまた入居者間のトラブルなど、建築物にはいつどんな不具合が発生するかわかりません。そのために当社では、営業エリアを社屋から30分圏内に限定し、不測の事態が起きた場合に迅速かつ的確に対応できる体制を確立しています。
 
名高 商圏をあえて板橋区中心の30分圏内にこだわるのは、そういった理由からなんですね。
 
小山 現在、板橋区で約3500世帯の分譲マンションを管理させていただいておりますが、管理業務のクオリティは分譲マンションでこそ試されると考えています。なぜなら、賃貸マンションの場合はオーナー様はお一人ですが、分譲マンションは50世帯あれば50人のオーナーがいることになり、それぞれに応じた管理が求められるからです。つまり、3500世帯もの皆様の生活の安全と快適が、私たちの肩にかかっているのです。
 
名高 なるほど。確かに、大手管理会社みたいに都心に収まっていては真似できないことですね。
 
小山 当社では 「管理力」 というオリジナルな言葉を定義して、A「地域密着力」、B「迅速な対応力」、C「提案力」、そして賃貸マンションではD「募集力」 も発揮し、地元のお客様の期待にお応えしているわけです。私はよく 「ロングタイム・リレーション」 という言葉を使うのですが、お客様と長いお付き合いのできる信頼関係を築いてこそ、地域密着型のマンション総合管理事業は成立するのです。
 
 

創業者の哲学を継ぐ者

 
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▲事務所の壁にかかる感謝状の数々が先代からの歴史を物語る

名高 先代の事業の本質を捉えたうえで、そこまで理論化させているとは。これは、かなりみっちりと二代目教育を施されましたね?
 
小山 それが、ほとんど、何かを教えてもらった記憶がないのですね。昔気質の父でして、「自分で感じ取って盗め!」 という教え方でした。最近になって同世代で二代目社長となった方々と話をする機会が増えてきたのですが、皆さん、初代と一緒に取引先に挨拶に行ったりしているんですが、うちは 「半人前のおまえが来ると邪魔だから」 と、同行さえさせてもらえませんでした。
 
名高 いや、わからないですよ。逆にそれが先代なりの短期育成法だったのかも。獅子が子を谷底に突き落とすような(笑)。