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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

“食”のプロが手がける
障害福祉サービス事業

 

食に特化した福祉という新たなスタイル

 
水野 大地家社長が仕事をするうえで、大切になさっていることはなんでしょうか?
 
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大地家 やはり、食にこだわることですね。私はずっと食品加工の仕事に携わってきましたので、食材をいかに使い切るかを常に考えています。食材とは“命”そのものですし、無駄にしないことが生産者さんへの敬意でもあると思うんです。それに、弊社の食品加工工場は決して大規模ではないものの、小ロット生産だからこその小回りの良さがメリットでして。大規模な工場ですと、大量生産するためにどうしても廃棄せざるを得ない端材のような部分が出てしまいます。一方で、小さな工場では生産数は及ばずとも、それぞれの食材の良さを最大限に引き出したり、その都度最適な加工方法を選んだりすることができるんです。その考え方が、現在の事業にも活きていますね。
 
水野 なるほど。だから「食に特化した福祉」という新しいスタイルが生まれたんですね。
 
大地家 はい。弊社の目標は「自分たちで育てたものを、無駄なくいただく」仕組みをつくることです。農業から福祉、そして食卓までを一つの流れでつなぐ。それが弊社の最大の強みだと思っています。それに先ほどもお話ししたアクアポニックスも、その一環です。魚と野菜を同時に育てる循環型システムなので、それぞれを別々に行うよりも水の消費が少なく済むんです。しかも、水耕栽培ですから、空いている土地や都市部の狭いスペースの有効活用にもつながるんですよ。
 
水野 食材だけでなく、栽培や養殖に使う水や、場所まで無駄なく活用する。まさにSDGsに直結する取り組みだと思います。
 
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大地家 そうですね。特に農業は非常に労力を要するので、人手不足という大きな課題があります。しかし、アクアポニックスなら省スペースかつ省エネルギーで行えるので、新たな農業の担い手を増やすきっかけにもなると期待しているんです。このような仕組みが一般社会にも広がれば、日本全体の農業をサポートできると信じています。
 
水野 食を中心に据えた福祉という新しい価値観が、農業支援や地域活性化にまでつながるというのは本当に素晴らしいですよ!