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スポーツ 上原浩治のTrust Pitch! vol.2 大人の流儀 上原浩治のTrust Pitch! ボストン・レッドソックス投手

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column.2 大人の流儀

 
 

「上原浩治にとって組織力とは」

 
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 リーダーシップ論ですか?
うちの監督は何も言わんからなあ(笑)。まあ、彼はおくとして、一つには、上司から声をかけることって、やっぱり大事だと思いますよ。それがたとえ一言でも、部下は嬉しいですよ。「気にかけてくれてるんだ、よし、頑張ろう!」って思いますから。話題は仕事のことじゃなくても、ゴルフの話題でも、家族のことでも、何でもいいですよ。ぼくは巨人時代の10年間で三人の監督にお世話になって、原監督は自然にそういったことができる方でした。その意味でも感謝しています。要は大事なときに「あの人のために!」っていう気持ちになれるかどうか。いざという時にその力学が働く組織でありたいですよね。
 
 
 
 
 最後に、恒例になった、日本のプロ野球とメジャーの違いについて。今日は天気にまつわることを紹介しましょう。
 天気って、野球選手にとっては「自分でどうにもならんこと」の筆頭かもしれないですね。ビジネスマンの皆さんも、「自分でどうにもならんこと」に時々ぶち当たるでしょう。そのときにどうするか。
 たとえば試合中の雨。日本は、試合中に本降りの雨が降ってきたら、わりとすぐ降雨中止にするけど、メジャーはどうすると思います? これがね、雨が上がりそうだったらずっと待ってるんですよ。基準は何だろう、グラウンドキーパーが判断するのかな。待ったら絶対やりますね。ぼくがこれまで待ったのは、最長で1時間くらい。待ってる間は、皆クラブハウスに行ってトランプしたり、ときどき様子を見にベンチに出てきたりして待ってますね。ぼくは体を冷やさないようにお風呂に入ったりします。要は、再開されたらベストなパフォーマンスを発揮できるように備えてるわけです。
 
 このあたりはビジネスマンの皆さんも一緒のはず。日本では5月が終わる頃だと思いますが、皆さん、しっかりパフォーマンスを発揮できてるでしょうか。
 新入社員の皆さんなんか、大変じゃないですかね。精神的にもギリギリの緊張状態で4月を乗り切って、やっと5月のGWになって、気が抜け過ぎて休み明けになかなか仕事に身が入らない、とかね(笑)。 連休が明けて3日間ぐらいは、徐々に調子を上げていくのでもいいかもしれません。コンディショニング管理的に言うと、いきなりピークに持っていくのは、やっぱりリスクがあるんですよ。
 まあ、そのぶんを見越して3日前から準備に入るのが、大人の流儀でしょうね。

 執筆者プロフィール 

上原浩治 Koji Uehara

ボルチモア・オリオールズ投手

 経 歴 

大阪府出身(出生は鹿児島県)。東海大学付属仰星高校から大阪体育大学に進学し、大学3年時に日本代表に選出。1997年に出場したインターコンチネンタルカップ決勝では、当時国際大会151連勝中だったキューバから先発勝利をあげ、注目された。ドラフトで読売ジャイアンツに1位指名(逆指名)を受け、1999年に入団。ルーキーイヤーに20勝投手となり、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠を獲得し、新人王と沢村賞も受賞。翌2000年は肉離れのため登録抹消となるなど、ケガに苦しむシーズンを送るも、2002年に再び17勝をあげ、優秀選手賞を受賞。2004年にはアテネオリンピック野球日本代表に選出され、銅メダル獲得に貢献。2006年のワールド・ベースボール・クラシックでも日本代表のエースとしてチームを優勝に導いた。2009年にボルチモア・オリオールズに入団。ベテラン投手の一人としてチームを牽引している。

 
 
 
 

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