ありのままの自分でいること
SNSを通じて、日々の食事などを発信している西山さん。それは仕事という感覚で行っているのではなく、毎日ご飯をつくるママや主婦の方と何かを共有できる場をつくりたかったのだという。
仕事でインタビューを受ける中で、働きながら家事や育児をするバランスについて聞かれることがあります。それに答えているのに、実際の私が家事をやっていなかったり、外食ばかりだったりするのは、よくないですよね。お話しするだけではなく、実際どんな感じで過ごしているのかもお届けしたいなと思って、主にInstagramで発信をしています。私は、もともと家事はしっかりやりたいタイプなんです。
ママさんや主婦の方にとって、家に帰ったからといって仕事を終えたことにはなかなかなりませんよね。洗濯物がたまっていたり、部屋が散らかっていたり。私は、ある意味“母親”も職業の一つだと思っています。そんな中で食事の写真をInstagramにアップするのは、毎日食事をつくる方々に「私は昨日こんな感じでした」と共有している感覚です。みなさんにとっても、気持ちをシェアできる場であれば嬉しいです。
「いつもInstagramを見て元気をもらっています」とか「お料理参考にさせてもらっています」とお声がけいただくこともあり、本当に嬉しいですね。私の投稿をきっかけに「これやってみようかな」と思っていただけるのが、SNSを続けていて一番良かったと思うことかもしれません。
SNSでは、いわゆる“映え”を意識するのではなく、ありのままの私を残していきたいなと思っています。例えば、私がもともとセレブで、どこを映してもキラキラしている、というのであればそれで良いんです(笑)。でも、私はいつでもジャージで100均に買い物に行くタイプ。そういった部分も隠したくないと思っています。
昔は、私自身があまりキラキラした生活をしていないことに対して「イメージが壊れる」と言われたこともありました。でも、イメージっていつか儚く消えていくものです。リアルな自分でい続けるほうが、きっとみなさんの印象に残り続けると考えていたので、何か意見を言われることがあっても、自分を貫いてきました。私は自分のことを飾らないし、飾れないんです。
今までを振り返ってみると、この道を進んできて良かったなと思います。もともとは、3年で地元に帰ると言っていたのに、気付けば20年以上が経っています。40代を迎えて、今後の10年はより“東京”を好きになりたいですね。そして、自分のことも好きになって「こうやって生きてきて良かったんだ」という自信を育んでいきたいと思っています。
最近は、よくポジティブであることが大事だとか、自己肯定感を高く持つことが大事だと言われますよね。もちろん、ポジティブで自己肯定感が高いことは素晴らしいことです。ただ、そうじゃなくても良いんですよ。なかなかポジティブになれない人、自己肯定感を高く保てない人が、無理に変わる必要はありません。私自身がそういうタイプでしたし、その時のことも後悔していません。前向きになれない経験も、決して無駄にはならないんです。
前向きな気持ちを持ち続けるのが難しくても、楽しいことや幸せの種は、意外といろいろなところに落ちています。自分が気付いていないだけで、柔軟に考えれば、「これも小さな幸せだな」と思えることが日々の中にいくつもあるでしょう。それを見逃さず、少しずつ束ねていけば、今日という一日が少しハッピーになるかもしれません。
(インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク mahiro/スタイリスト 佐藤美紀)
西山 茉希(にしやま まき)
1985年生まれ 新潟県出身
(取材:2026年7月)