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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
40代のテーマの一つに、舞台への挑戦があったと話してくれた要さん。これまではどんなテーマを掲げていたのだろうか。激動だったという20代、葛藤の多かった30代、そして現在迎えた40代、それぞれの時代に持っていた俳優への思いをうかがった。
 

50代で俳優としての花を咲かせるために

 
もともと、高校を卒業したら次の日には東京に出て俳優を目指そうと決めていたんです。そうして卒業式の翌日に上京しました。23歳になってもデビューできなければ諦めようと決めていたものの、ありがたいことに19歳でデビューできたんですよ。昔から人生設計を立てて行動するタイプでした。
 
ただ、20代の頃はあまり先のことは考えられませんでしたね。とにかく必死でした。それでも、「3年後にはこういう作品に出ていたい」などの目標を持つようにしていたんです。当時は、「芝居ってなんだろう」と思っていましたね。よく「長いトンネルで出口が見えない」と自身の悩みを例えることがありますが、僕の場合はトンネルに入りたいのにその入口さえわからない状態だったんです(笑)。
 
それが30代に入り、だんだんと長いスパンで未来の自分をイメージできるようになっていきました。トンネルに入って、暗闇の中壁をつたいながら歩いている状態ですね。ただ、まったく道が見えない状態だったので「これで合っているのだろうか」という葛藤は多かったですよ。
 
当時から僕が考えていたのは、30代に種まきをして、40代でその種を育てる。そうして50代で花を咲かせるということです。40代の今、だんだんとトンネルの出口の光が見えてきたような気がします。ようやく、「この道で合っているのかもしれない」と思えるようになりました。
 
直近の目標としては、50代の役柄を演じられるようになることです。19歳のデビュー当時は、20代の役柄をいただくことが多く、「これで20代の大人を演じられているのかな」と不安になっていました。20代になると、30代の社長の役柄などもいただくようになりまして。「社長なんてできるのかな!?」と思っていました(笑)。そういった経験から、未来の自分は常に意識しておかないといけないと考えています。
 
40代の今のうちに50代の役柄を先回りしてイメージしておく。50代の頃には60代をイメージして演じる準備をしておく。そんな風にして今後も備えていきたいですね。そうしたイメージトレーニングは、とにかく何度も繰り返しているんです。反復練習の繰り返しは、スポーツ選手と似ているかもしれませんね。本番をイメージして練習を繰り返す。いざ本番になると「全然違うじゃん!」となることがよくあるのも、スポーツと似ているところかもしれない(笑)。本番と練習のギャップを埋めることが大切なんですよね。