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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
「オリンピックでの試合はすべて楽しかった」と語ってくれた髙田さん。試合を楽しむために必要なことを聞くと、事前の準備だという。どれだけ練習に打ち込んでこられたのかが、本番のメンタルに影響すると教えてくれた。
 

自信につながる練習をすること

 
本番で緊張せずに楽しむには、日々の練習をハードに取り組むことはもちろん、チームメイトとどれだけ密なコミュニケーションを取れるのかが大切だと思っています。そうした日々を繰り返す中で、しんどい時間は本当に数えきれないほどありますよ。でもそれを乗り越えたからこそ、「これだけ頑張ってきたんだから大丈夫」という自信につながるんです。試合に臨むにあたっては、その自信が一番大切だと思いますね。緊張する一番の要因は、不安なんですよ。事前にどれだけ不安要素を消す練習ができているのかが重要です。
 
東京オリンピックに向けてチームメイトと共にハードな練習を乗り越えたことで、全員に自信がつきましたし、チームワークも深まりました。試合の中でも、「練習のほうがきつかった」という会話があったほどです。この経験から、試合に向けてしっかり準備をすることで、パフォーマンスをしっかり発揮できるという実感を得ました。
 
試合中はとにかく楽しかったですし、それはほかのチームメイトも同じでした。もちろん体力的なつらさはあるものの、それでも試合が終わってほしくないと思うくらいだったんです。東京オリンピックが終わってしまったら、チームから離れないといけませんからね。そのことに寂しさを覚えるくらい、全員がチームに愛着を感じていました。
 
そうして目標であった優勝はできなかったものの、銀メダルを獲得できたことは自分でも誇らしく思っています。真剣に取り組めば取り組むほど、日本が世界の舞台で活躍するのは難しいんじゃないかと思わされます。これはバスケットをしている方がみなさん感じたことかもしれません。
 
バスケットは、身長の高さやフィジカルの強さが大きく影響するスポーツです。世界と比べると、日本人はどうしても体の大きさに差が出ますからね。特に私が担っているセンターは、チームの中でも高身長の選手が務めることが多いポジションです。海外のチームと対戦すると、私よりも10cm以上身長が高い人とマッチアップしなければいけないことがよくあります。「どうやったらこの人をディフェンスできるんだ」「どうやって点を取ればいいんだ」といつも思っていました。
 
私たちが獲得した銀メダルは、そういった困難を試行錯誤のうえ乗り越えて手にしたメダルなんです。「今までつらい練習を乗り越えてきて良かった」「バスケをやめずに続けてきて良かった」と思いましたね。
 
 
銀メダルを獲得した際の気持ちをお聞きすると、「純粋に嬉しいという気持ちと、これまでの過程があってこそだという喜びがあった」と語ってくれた髙田さん。結果を追い求めるよりも、過程を大事にするべきだという気付きがあったという。
 

過程にこそ価値があると実感した

 
先ほどお話しした通り、バスケットボール女子日本代表は、ロンドンオリンピック出場をあと一歩のところで逃しましたし、リオデジャネイロオリンピックでは良い結果を残せませんでした。ただ、東京オリンピックで銀メダルを獲得したときに、私は「あの経験があったから、今この結果を出せたんだ」と感じたんですよ。
 
試合に負けたとき、失敗をしたときは後悔するでしょうし、しんどくなってしまうでしょう。でも、そこで挫折するのではなく「この経験は無駄じゃないんだ」と切り替えて、また日々の練習に取り組むこと。その過程に価値があるんだと実感できました。そのことが、メダルを獲得できた以上に嬉しかったかもしれません。今までの苦労や困難には、すべて意味があったんだと思えました。
 
この経験から、日々の過程を大切にしていれば、自然と結果はついてくるのだと感じましたね。その結果というのは、今の自分が求めているものとは違うこともあるでしょう。でも、未来の可能性につながる経験には違いないんです。
 
スポーツに限らず、どの業界でも大きな結果を出せる人は一握りなのではないでしょうか。でも、それ以外の人がダメなのかというと、もちろんそんなことはありません。大切なのは、夢や目標に向かって日々どれだけ頑張れたのかです。ぜひみなさん、結果を出すことにこだわり過ぎず、日々努力している自分を褒めてあげてほしいですね。