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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
初めて舞台に立ったのは17歳の頃だったという勝地さん。「毎日変化があり、試行錯誤しながら臨むことが楽しい」と語る勝地さんに、舞台の難しさや魅力についてうかがった。
 

本気の恋愛ドラマに挑戦したい!

 
舞台は何度も何度も同じシーン、同じセリフを繰り返し稽古します。そうしてより良いものを追求していくことが楽しさでもありますし、難しさでもあると思います。本気で追求し続けないと、いざ舞台に立ったときにお客様に見抜かれると思うんですよ。昨日よりも良いものを、明日はさらに良いものをと試行錯誤を続けています。でも、なぜか一気に3歩ぐらい下がってしまうこともあるのが舞台です。そういった変化も、舞台の魅力の一つです。
 
多くの方は、僕に対して「一癖あるおもしろい役をやる人」というイメージを持ってくださっているのかなと思っています。とてもありがたいことではあるのですが、大事なのはそういうイメージがある中で、今後何ができるのかだと思うんです。
 
舞台作品では、今回の萩原晃のように、僕のイメージとは違った役柄を演じさせていただくことも多いです。テレビドラマや映画においても、同じようにイメージを越えた役柄を演じられるようになっていきたいです。「勝地涼はこういった俳優」という枠を、良い意味で裏切っていきたいと思っています。
 
最近口に出して言うようにしているのは、「勝地涼の本気の恋愛ドラマを撮ってみませんか?」ということ、「大作を背負ってみたい」ということです。恋愛ドラマでは、やっぱり場を和ませるおもしろい役柄を演じることが多かったんですよ。もちろん、おもしろい役でもかまいません。とにかく、いろいろな作品の主役に挑戦することで大きな壁を壊していきたいです。
 
 
13歳の頃から俳優活動を始め、すでに23年の経歴を持つ勝地さん。デビュー当時は「とにかく楽しいだけだった」と語る勝地さんが、俳優業を仕事として意識するようになったのには、どういったきっかけがあったのだろうか。
 

仕事に対する取り組み方は変化していく

 
10代の頃はテレビの世界、映画の世界に憧れていたので、楽しくてしょうがなかったです。仕事として意識するようになったのは、大学に進学するのかどうか考え始めたころでしょうか。母は俳優の仕事がどうなるかわからないので、大学には行ってほしかったようです。ただ、父が「目的がないまま大学に行っても何かが変わるわけではないから、自分で考えなさい」と言ってくれました。
 
自分でよく考えた結果、学びたいことがあるわけでもないのに、大学に行くのは違うと思いました。それで、進学しないと決めたときに「俳優が僕の仕事です」と言うことになるんだと気付きました。学生のうちは、仕事がない期間があったとしても「学校に行かないといけないし」という逃げ道がありました。逆に、勉強がうまくいかないときは「仕事があるし」と言い訳することも(笑)。両方に逃げ道をつくれたんです。俳優一本で頑張ると決めたときに、今後は逃げ道がなくなるんだと覚悟を決めました。
 
人生の節目節目で、そういった覚悟や責任感は増してきたと思います。同級生たちが就職するタイミングでも、俳優業に対してより仕事という意識は強まったと思っています。あとは、子どもが生まれたときにも仕事に対する取り組み方が変わりましたね。
 
「こういった仕事をやっていきたい」とこだわるのではなく、お声がけいただけるならいろんなことにチャレンジしてみようと考えるようになりました。これからも年齢を重ねていく中で、仕事に対する考え方や取り組み方に変化はあると思っています。今はその変化の過程で、さまざまなことにチャレンジしてみる期間だと思っています。