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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
今では「料理愛好家」としてお茶の間の人気を確立しているレミさんだが、結婚前はシャンソン歌手として活動していた。インタビューでは、当時の活動についても語っていただいた。
 
 

よりおもしろい道を進む

 
小さい頃から歌が好きでした。父である平野威馬雄がフランス文学者だったこともあり、自宅にはよくフランス人の方が遊びに来ていましたね。その際に、フランスのレコードを持ってきてくれるんですよ。私はいつもそれを聞いては、真似をして歌っていました。そうすると父が、「真剣に歌の勉強をしてみるか?」と聞いてくれたんです。そうして歌の教室に通うことになりました。
 
あるとき、ホテルに併設されているミュージックサロンで、歌手の募集をしているのを見つけました。オーディションを行うとのことだったので足を運んでみると、受かったんですよ(笑)。それで、プロのシャンソン歌手となりました。とても素晴らしい歌声を持つシャンソン歌手、岸洋子さんの前座を務めさせてもらったこともあります。
 
お客さんの前で歌わせてもらうのは楽しかったですね。上手に歌おうと気を張るのではなく、自然と楽に歌えたときこそ、大きな拍手をいただけるんですよ。実際に自然に歌えて、鳴り止まないほどの拍手をいただけたときは「この拍手は、心から素直に歌った人だけがもらえるんだ」と実感できました。本当に嬉しかったですね。
 
結婚してからも、しばらくは歌手活動を続けていました。ただ、家事や子育てをしながら、夜に化粧をしてドレスを持ってステージに立つ・・・というのは、なかなかハードです。それに、自分らしく働くなら料理に携わっていたほうが楽しそうだなと感じました。それで料理の道に進むことにしたんです。私は昔から、より楽しいと思える方向に進むことにしているんです。我慢をせず、嫌なこともやらないでここまで来ちゃいました。
 
さまざまなユニークなレシピを考案するレミさん。どういったコンセプトを持っているのだろうか。
 
 

喉で帳尻が合えば良い

 
私はとても幸せな人間だと思います。それは、好きなものが仕事になったから。やりたいことと、やるべきことが合致したんです。料理は昔から趣味の一つでしたし、今でもとても大好きなもの。努力とか勉強とかは、誰しも面倒ですよね(笑)。でも私にとって料理は楽しいことなので、そういった感覚を持たなくて良いんです。例えば、お店でおいしい料理を食べたときは「どうしたらこんな味になるんだろう」と疑問を持つ。それを試行錯誤しながら解決することがとても楽しいんですよ。
 
私がレシピを考案する際に大切にしているのは、手順の少なさです。気が短いから、パパっとできるものが好きなのよね(笑)。それに、私がつくるのは「シュフ料理」ですからね。「シェフ料理」じゃなくて、「主婦料理」。シェフのつくる料理は、時間もお金もたくさんかけて、こだわったもの。でも、主婦は時間もお金もかけたくないじゃないですか。毎日三度、家族のご飯をつくる方もいますから、時間なんてかけていられませんよね!
 
料理は、喉で帳尻が合っていれば良いと思うんです。口に入れて、喉を通ったときに「おいしい」と思えれば良い。だから私は、「食べればシリーズ」というのも考えたんです。見た目は違うけど、食べたらちゃんとその料理の味がするというもの。例えば「食べればコロッケ」がそうですね。キャベツとマッシュポテトの上に、炒めた玉ねぎとひき肉をのせて、砕いたコーンフレークを散らし、ソースをかけるんです。40年くらい前、当時まだ5歳だった息子が、「ごっくんしたらコロッケの味がする」と喜んでいました。今では誰かが「スコップコロッケ」なんて呼んでつくっているみたいですね(笑)。
 
 
 
 
 

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