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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
世界では近年ますますグローバル化が進む中、日本人は海外からどう見えているのか。そしてグローバルな人材になるには、これから何が必要なのかを、海外を見てきたステッグマイヤーさんに語ってもらった。
 
 

求められるのはハングリー精神と語学力

 
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これから日本がグローバルな国になっていくためにまず必要なのは、ハングリー精神だと思います。そもそも今の日本の若い人たちは海外に出て行って何か挑戦しよう、という人が少ないですよね。日本は居心地が良い国ですし、どこか「このままでいいや」と思っているところがある。しかも実家も居心地が良いですし、大学生になっても家でごはんや洗濯を親にしてもらって、出してもらった学費で大学に通う・・・という学生が多い気がします。でもそれじゃあいつまで経っても自立できないですし、現に日本の大学生はなんだか幼くみえる。いっぽうで例えばアメリカ人は、たいていの人が高校を卒業したら、親元を離れて大学の寮に入って、そこからだんだんと自立していくんです。そういう海外の学生を見ていると日本の若い人たちが心配ですし、もっと自立心やハングリー精神を養う必要があるのかな、と感じますね。
 
それからグローバルな人になるにはやっぱり、外国語、特に英語を話せるようになることが大切だと思います。日本人は学校で早い段階から英語を勉強しているのに、残念ながら実際に話せる人は少ないのが現状です。日本は島国だし、あまり使う機会も必要もないのかもしれません。でも、最近は他国の人でも母国語はもちろん、英語も日本語も話せるという人が増えてきているように感じますし、英語が話せるのはとても大切だと思います。
 
私は2人の子どもたちには、日本とアメリカ、両方の国の文化と言葉を教えています。英語はインターナショナルスクールと夫との会話で自然と使っていますが、大変なのが日本語です。母がそうしてくれたように、週に1度日本語の補習校に通わせ、私が家で読み書きを徹底して教えています。その中で改めて思うのは、外国語はスポーツや音楽と同じように、絶えず練習しないと上達しないですし、習得するのに簡単な道はないということ。でもそれは、自分が好きなことや興味のあることを通してでもいいんです。私もアメリカに住んでいた頃は、祖母に送ってもらった日本の歌番組の録画やマンガを見て日本語を覚えました。そうやって生きている英語を楽しみながら本気で学べば、大人になってからでも、きっと身に付きますよ。
 
<インタビュー・文 青柳裕子/写真 TATSURO/ヘアメイク NOBU(HAPP's)>  
 
 
   
リサ・ステッグマイヤー
1971年生まれ アメリカ・ニュージャージー州出身
 
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アメリカ人の父と日本人の母を持つ。13歳の頃に来日し、上智大学比較文化学部・日本文化学科を卒業する。在学時にNHKの語学番組『英会話1』で司会のアシスタントとしてデビューし、その後はタレントとしてフジテレビの『笑っていいとも!』に出演。1998年からはNHKの人気子ども番組『天才てれびくん』で芸人・落語家の月亭方正(旧・山崎邦正)と共に司会を務めた。現在は、在住のシンガポールと日本を行き来しながら、NHKBS1の『COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜』で作家・演出家の鴻上尚史と共に司会進行役を担当している。プライベートではトライアスロンに打ち込み、日本トライアスロン連合事業広報委員も務める。
 
インスタグラム
https://www.instagram.com/risastegmayer
 
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『リサ・ステッグマイヤーのグローバル・キッズを育てる!』
著者:リサ・ステッグマイヤー
発行所:株式会社小学館
書籍サイト
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388408
 
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(取材:2016年10月)