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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW



プロフィール 1971年1月31日、東京都生まれ。高校卒業後、不動産販売会社を経て、91年、アルバイトとしてナショナルオートに入社。同年、長年のパートナーとなる石川秋彦氏(現・取締役会長)と共にオートバイ買取専門店を立ち上げるが、親会社が倒産。二人で会社の営業権を買い取って独立し、メジャーオートを立ち上げる。その後、グループ会社を数社まとめて98年、(株)アイケイコーポレーションを設立。2006年、東証2部上場。現在社員数は814人(2008/8現在)。全国39都道府県に買い取り拠点がある。

 

――遠くに東京タワーを望む、恵比寿の高層ビル。本社の社長室で行われたインタビューで、アイケイコーポレーションの加藤社長は、これまでの軌跡、オートバイ買い取り市場の今後、若い社員へのスピリッツの継承など、熱い胸のうちを語った。

無謀とも思える夢を語っていたが・・・

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 20年くらい前のオートバイの買い取りというと、ほとんどが個人売買でした。新車で買った際のオートバイショップに相談して買い替えの際に下取りをしてもらう。あるいは友達に譲ってもらうなどが主流です。命を預けて乗るものなのに、整備不良だったり、トラブルが絶えなかったり。ですから、私も石川も「売買に仲介業者が入ったほうがいいなあ」と思って、買い取りを重視したオートバイショップを立ち上げたのです。
 とはいえ、自動車の中古買い取りもやっと定着しつつあるかという時代です。オートバイを買い取るという業態自体がありません。
 オートバイショップに電話して、「オートバイを売りたいんですけど」と掛け合っても、「見てみないと分からないので、とりあえず持ってきて」と言われてしまいます。オートバイのバッテリーが上がっていたら、店に持って行きたくても荷台のあるトラックのような車がなければ持って行けない。たとえ持って行ったところで、「いくらで売りたいの」と尋ねられても「いくらかにでもなれば・・・」と言える程度でしかなかったのです。
 そこで考えたのは、オートバイを売りたい人の家に直接伺うこと。そして、下取り価格を透明にし、また税金や保険などで後々トラブルがないよう、安心感を訴求することでした。
 それまでの買い手側は、安く買い取ることばかり考えていましたが、安く買ってたくさんの在庫を抱えるよりは、在庫は抱えずに、キャッシュフローが潤沢になるほうがいい。そこで<出張買い取り・パソコン査定>という、我が社の発想が出てきたわけです。
 さらに、アイデアで付加価値をつけようと思いました。オートバイショップというのは、駅前の一等地に出店したからといって、すぐにオートバイが飛ぶように売れるわけでもない。そこで、ちょうどフリーダイヤルが注目されてきたこともあり、「これだ、フリーダイヤルで電話をしてきた人のオートバイを買い取ろう!」ということになったのです。
 しかし、フリーダイヤルを設定しても、それを知らない人には無意味です。1本でも多く電話を鳴らす方法が必要でした。
 もともと、オートバイ雑誌の広告を利用し、会社の知名度を上げていく戦略を組んでいましたので、メディアを使って電話を鳴らそうと考えました。それがテレビのCMでした。

 

――“バイクを売るなら、ゴー、バイク王~” いまや誰もが知っているといっても過言ではないこのCMは、1本でもコールセンターの電話を鳴らすために考え出された、窮余の策だったのである。ボブ・サップ、中山エミリ、藤井フミヤ、そして現在放映中の雨上がり決死隊まで、テレビの人気者を使っての戦略は、「24時間365日受け付けます」という買い手のメッセージを消費者の意識に定着させ、成功を収めた。

 

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 オートバイというのは、もちろん仕事で毎日使う人もいますが、あくまで趣味嗜好品。冬のあいだ乗らないでいるとバッテリーが上がったり、中には保険や車検切れで乗らなくなったり、雨ざらしで放置されているものも多い。そのままずっと置きっぱなしで、不法投棄に近いものまでありました。
 そういったオートバイを見るにつけ、まだまだこの分野はやっていけると思いました。グループの店舗が1軒増えるたびに、「よし、やれるぞ」と、買い取りビジネスの将来性を確信しました。ちょうどバブルがはじけた頃で、リユース・リサイクル商売は不景気に強い。現場に出ていると、絶対いけると実感しました。
 フリーダイヤルを設定したのは後年のことですが、雑誌に広告を載せると、関東だけではなく他府県からも電話がかかってくるようになりました。中には関西方面からの電話もあります。すぐに行くのが信条ですが、お客さんに言いました。
 「すみません、1週間だけ待ってくれますか」

 

 

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