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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

組織改革と融資支援で
中小企業の未来を拓く

 

現場で積み上げた組織改革と評価制度の核心

 
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今岡 改革を提言するとは、抵抗も大きかったのでしょう? 野球界でも意見を言うと「生意気だ」と受け取られることもありますからね。
 
土山 はい。抵抗勢力が出てきました。ただ、それで引き下がるわけにはいかなかった。なんとか奮闘し、総務課長の立場で理念・ビジョン・行動指針を整え、人事考課制度や表彰制度を一からつくり直しました。
 
今岡 理念を示し、評価基準を明確にするのは非常に重要ですね。野球界の査定は曖昧で、同じ三振でも「サイン通りに動いた三振」と「好きに振っての三振」は意味がまったく違うのに、数字上は同じ扱い。これがズレの原因なんです。企業でも似た問題がありそうですね。
 
土山 おっしゃる通りです。私が個別目標にこだわるのは、共通項目だけでは社員が動かないからです。例えば「会議で意見が出ない」「製品のアイデアが出ない」といった課題がある場合、その行動自体を個別の目標に設定します。社員が“何を頑張ればいいのか”を明確にすることで、正しい方向に努力できるようになるんです。当時は社員一人ひとりが自分の役割を正しく理解できていない状況でしたので、面接の場で丁寧に対話を重ねることも徹底しました。上司が部下に「何を期待しているのか」を伝え、社員が「どこに貢献できるのか」を把握できるようにしたことで、組織全体の空気が前向きに変わっていきました。
 
今岡 社員一人ひとりと向き合って役割を言語化し、対話の中で期待を明確にしていくというプロセスは、まさに現場型の組織づくりですね。野球でも、選手が自分に求められている役割を理解した瞬間にプレーが変わるんです。評価と役割が一致した時、人は初めて力を発揮できる。だからこそ土山代表の仕組みは即効性があったのだろうと思います。
 
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土山 実際に成果も表れました。売り上げは8億円から10億円に、利益は1億円増え、年度末賞与も毎年支給できるようになりました。その後、10年以上離職ゼロの状態が続いたのも、社員が「何を頑張ればいいか」が明確になったからだと思います。私自身、「企業は人なり」という考え方を大切にしています。社員一人ひとりが役割を理解し、納得して成果を出せる環境を整えれば、会社も社員も共に成長できる。そうした長期的なパートナーシップこそ、組織づくりの核だと感じています。
 
今岡 離職ゼロは驚異的です。組織が明るくなると人は自然に力を発揮します。私もプロ野球チームの現場を見てきて「声を出せる雰囲気があるかどうか」でチームの強さが変わると感じていました。