石黒　石油製品の荷動きや価格動向に関する調査と関連業界向けの情報発信などをメインに行っている、株式会社MK（エムケー）コーポレーションの緒方社長にお話をうかがいます。まずは事業内容の詳細を教えていただけますか。
 
緒方　はい。原油をガソリンや重油などの石油製品に精製し、一般の工場やガソリンスタンドに輸送する際、仲卸業者による取り引きが行われます。その時点の価格情報を全国から集め、インデックス化して提供するのが弊社のビジネスです。ほかにも、一般のニュースでは得られない業界の内部事情や政策的なトピックを発信しています。最近で言うと暫定税率の撤廃がホットな話題ですね。主な顧客は石油元売会社や輸入商社、石油ディーラーなどで、それぞれと年契約を結んでいます。
 
石黒　そうした情報をいち早くつかむのは簡単じゃないのでしょうね。正確さも問われるでしょうし。
 
緒方　そうですね。仲卸業者から単にデータを収集するだけでなく多くの解釈を加えていきます。石油の取り引きに関わる国際情勢、陸海の物流がどう動いているかも把握し、それらを加味しながら総合的に判断しなければなりません。刻々と揺れ動く価格を予測してスピーディに顧客へ伝えるには、長年培った経験と人脈が大切です。
 
石黒　価格をリードしている石油製品メーカーが独自に情報提供することはないのでしょうか？
 
緒方　卸売希望価格での情報提供はありますが、弊社が発信する際はそれとは異なる販売価格になりますね。ただし、情報の偏りを回避するために業界のすべての会社と一定の距離を置いています。こちらにノウハウがあってインターネット上でほぼ完結する仕事だからこそ可能なビジネスだと考え取り組んでいます。