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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

生活を交通から支える
大阪の老舗タクシー会社

 

タクシーの運行を支えるインフラも担う

 
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狩野 事前にお聞きしたところ、2025年6月から新たな取り組みもスタートなさったとか。
 
坂本 ええ。かねてより準備を進めていた、日本城オートガスセンターをオープンしました。これは、一般家庭でもコンロや給湯器などに広く使われ、プロパンガスとも呼ばれる液化石油ガス・LPGを、タクシーなどの業務用車両に供給する施設なんです。
 
狩野 そういえば、タクシーは一般的な乗用車とは仕様が異なると聞いたことがあります。
 
坂本 そうなんです。タクシーに使用される車両の多くは、ガソリンではなくLPGを燃料とするエンジンを搭載していまして。戦後間もない頃、ガソリンよりもLPGのほうが価格が安かったこともあり、一日中動き回るタクシーにとっては燃料費の面で適していたことから、現在に至るまでLPG車が主流となっています。近年ではガソリン車と同じように電気モーターとのハイブリッド車なども普及しつつあるものの、今もタクシーの80%ほどはLPG車だと言われているんですよ。
 
狩野 タクシーの運行だけでなく、それを支えるインフラまで担うとはさすがです! そういえば、以前は業界全体でタクシー乗務員さんの人員不足が問題となっているとお聞きしました。現在はいかがですか?
 
坂本 おかげさまで、最近ではタクシー乗務員の人数も増加傾向にあるんです。これはコロナ禍が落ち着き、観光客の方も再び増えてきたことはもちろん、タクシー乗務員の待遇の良さが世間一般にも認知されてきたことも要因の一つだと考えています。
 
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狩野 待遇の良さとは気になりますね。ぜひ教えてください。
 
坂本 実はタクシー乗務員は生涯賃金が高く、年収1000万円を超えるドライバーも少なくありません。さらには、ケガや病気などでやむを得ず休んだ場合でも、平均金額の6割以上の給与が保障されますし、勤務中に起きてしまった事故も過失割合にかかわらず労災保険の対象となるなど、安定して働ける職場なんですよ。とはいえ、まだまだこの実態をご存じない方も多いので、求職者の方にぜひ知っていただき、より一層タクシー業界を活気づけていただきたいですね。
 
狩野 新たな事業にも積極的に取り組む坂本社長のもとに、より多くの人材が集まれば、業界全体もますます盛り上がりそうですよ。