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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

鉄工とアートの二刀流で 産業と人の心を支える
進英工業/色鉛筆アートFAMILY'S 代表 市川英典

 
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インタビュアー 今岡真訪(野球解説者)
今岡 兵庫県神戸市西区で製缶・板金業を手がける進英工業さん。まずは事業内容について教えてください。
 
市川 産業機械の構造部品や車両部品などを製作しています。製造機械や、砕石場で使用される機械部品も手がけますので、強度や精度、安全性を特に重視しているんです。また、1点からの受注も可能で、製品試作のためのご依頼などもお受けしています。
 
今岡 日本の産業を支える縁の下の力持ちというわけですね。市川代表は早くからものづくりの業界を目指していたのですか?
 
市川 いえ、実はもともと海が好きで、最初は海運業界を目指していました。大学では船舶の勉強をしていて、就職の際は当時の恩師の紹介で海洋土木の建設会社に入ったんです。そこでは海上の石油備蓄基地の桟橋の基礎工事や橋の基礎工事、ダムなどの建設工事を担当していました。そこで、現場で使う機械や電気設備を選定、自社工法の管理をしたり、図面を描いて地元の鉄工所に発注したりしていました。
 
今岡 そのような経緯で製造業の世界へ入られたわけですね。
 
市川 はい。その後、ありがたいことに製造業の会社とご縁をいただき、転職しまして。その会社で修業を積み、2008年に独立して起業しました。昔から、一人で黙々と集中して取り組むのが好きなタイプでしたので、自分自身の裁量で仕事を進められる働き方のほうが合っていると気付いたのも独立のきっかけの一つです。現在では素材の切断・穴あけ・曲げ・溶接・仕上げまで一貫した対応を行っています。
 
市川代表が描いた絵
市川代表が描いた絵
今岡 お一人で全工程を行うとはすごい集中力ですね。ぜひ仕事のこだわりも教えてください。
 
市川 丁寧な製作と仕上がりの“美しさ”ですね。バリ取りや仕上げなどの細部まで手を抜かないのが信条です。精密な製品だからこそ、ミリ単位の仕上げが性能に関わりますし、何より「あなたの仕事はきれいだ」と言われる瞬間が一番嬉しいですね。
 
今岡 その丁寧な姿勢が信頼につながっているんでしょうね。ところで、事務所の壁に飾られている素敵な絵は、市川代表がお描きになったんですか?