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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

廃棄物処理業許可を専門に
事業者を守る行政書士

 

ゴミは出した者が責任を持つという意識

 
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石黒 ここまでのお話をうかがって、髙橋代表が大きな使命感をもって事業者さんを支えておられることがよくわかりました。これからの目標についてもぜひ教えてください。
 
髙橋 ゴミに関する法律やルールは年々変化し厳しくなってきています。事業を営むうえで知らなくてはならない重要なルールがあったとしても、事業者さん側もそれを学ぶための機会が非常に少ないので、そうした部分もカバーしていきたいです。これまでにも産業廃棄物処理にかかわる業界人向けに、本やDVDなどを出版してきましたが、今後も新しい著書の執筆や講演会、セミナーなどを積極的に展開し、さらに情報発信をしていきたいですね。
 
石黒 確かに先ほどの話ですと、一般的な行政書士の先生に聞いても内容が不十分の可能性もあるわけですよね。ましてや専門的な法律のこととなると、事業者さんもどこに確認したらよいかわからず、放置しているケースもあるかもしれません。
 
髙橋 そうですよね。日本の法律では「廃棄したゴミの責任は事業者にある」と定められています。ところが実際は、その意識が非常に薄いんです。例えば、ある大手飲食チェーン店で、廃棄した食品を、依頼を受けた処理業者が勝手に転売し、スーパーマーケットで販売されてしまったケースがありました。法的には、処理を委託した飲食店側の責任も問われてしまう恐れもあります。こうした構造を理解していないまま、日々の業務を行っている企業が多いことを危惧しているんです。
 
石黒 そんな事件があったなんて・・・。依頼した飲食チェーン店側の信頼も傷つきますし、適正な処理業者選びも大切なんですね。聞けば聞くほど、私たちの社会にとって重要な分野にもかかわらず、知らないことばかりだと感じます。
 
髙橋 ええ。処理を請け負う側はもちろん、処理を依頼する側の意識も高めていけたらと考えています。あらゆる産業において、“つくること”と“捨てること”はいわば両輪なんです。特に日本のゴミ処理やリサイクルの分野は最先端で世界的にも注目されており、昔のように「汚い」「危険」というイメージではなく、社会を支える誇りのある業界へと変化しています。だからこそ、多くの方に正しい知識を持っていただきたいです。
 
石黒 そんな熱い使命に燃える髙橋代表が、仕事をするうえで大切にしていることはなんでしょうか。
 
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髙橋 気の合う方としか仕事をしない、というのが私のモットーです(笑)。気が進まない仕事をイヤイヤやっても時間ばかりかかりますし、結果的にお客様にもご迷惑をかけてしまいますからね。お互いが信頼し合い、誠実に向き合える関係を築くことが大切だと思います。
 
石黒 事業者さんたちが髙橋代表を頼りたくなる気持ちがわかりますね! お話をお聞きして、私たちが普段、意識しない部分で多くの専門家の努力が社会を支えていることを実感しました。廃棄物処理に限らず、長年にわたって環境問題の最前線を経験してこられた髙橋代表だからこそ、この築100年以上の歴史ある建物も大切に再利用されているのだと思います。これからも事業者さんはもちろんのこと、たくさんの人の暮らしを支えていってくださいね!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
一つの案件をやり遂げたあとの達成感ですね。それを味わうことこそが、私にとってこの仕事の大きな楽しみなんです。
(髙橋利行)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業所名 行政書士法人ST環境
■ 所在地 〒367-0054 埼玉県本庄市千代田4-2-4 三の蔵
■ 事業内容 廃棄物処理法に係る許可/付随する関係法令手続・コンサルタント
■ 創業 1997年6月
■ 従業員数 5名
■ 主な取引先 東日本の廃棄物処理事業者
■ ホームページ https://www.stkankyo.or.jp/