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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

目線を合わせ自立を支援 笑顔を咲かせる生活介護
一般社団法人ピアーズ咲楽 代表理事 渡辺裕子

 
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インタビュアー 石黒彩 (元モーニング娘。)
石黒 東京都江戸川区で障がい者への生活介護サービスを手がける、ピアーズ咲楽さん。渡辺代表理事と、秋元貴行施設長にお話をうかがいます。まずは、お二人の出会いから教えてください。
 
渡辺 私は結婚を機に関西から東京に越してきました。育児と義母の介護のかたわら仕事をする中で、社会福祉協議会での仕事を通じ、初めて高齢者と障がい者に向けた福祉に携わるようになったんです。その後、グループホームや生活介護を手がけるNPO法人に転職しました。そこで出会ったのが、弊社の立ち上げメンバーである秋元とサービス管理責任者の藤本でした。
 
秋元 当初の障害者福祉制度は、行政がサービスの内容や利用先を決める措置制度に従って展開されていました。利用者様の意思で施設や事業者を選ぶことはできず、サービス内容も不十分で、課題も少なくなかったんですよ。そんな中、2003年4月に措置から契約へと法律が変わり、利用者様の自己決定に基づきサービスが利用できるようになったものの、「支援をしてあげている」というやや傲慢な考え方がまだまだ残っており、経営陣に疑問を感じていました。
 
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渡辺 措置の時代の考え方から切り替えが進まないことに対し、次第に「本当にこれが障害福祉のサービスなのか」「これは違うのでは」という思いが強くなったんです。それを機にNPO法人を退職し、一度は3人がバラバラになりながらも、特に強い思いを持っていた藤本が「自分たちが納得できる仕事をしよう」と言い出し、「ならば3人で」と、法人を一から立ち上げました。
 
石黒 使命感に突き動かされ、奇跡的に集まった3名だったと。素晴らしい行動力です。
 
渡辺 正直、頼る後ろ盾もなく不安だらけでした。でも、秋元の「利用者さんのためになることをやりたい」という言葉にあらためて一致団結し、「あったら良いな」を詰め込んだ施設をスタートすることができました。