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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

配管を一瞬で固定できる
設備資材を開発・販売

 

顧客のために貿易業から転換し、製品を開発

 
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一発簡単! 押し込むだけでカチカチッと心地良く管を結束!
水野 作業効率が向上し、生産性向上につながるクリックバンドdii。いつ頃、開発されたのですか?
 
山田 2021年から開発を始め、2年の歳月をかけて完成させました。実はその前まで、弊社は輸入販売など貿易業が中心だったんです。先代の時代は海外製の建築資材をメインで取り扱っており、自社開発は行っていませんでした。私が会社を引き継いでからも伝統やノウハウを大切にし、海外製品を中心とした事業を展開したんです。
 
水野 どうして自社開発も行うメーカーになられたのでしょう。
 
山田 理由は2つあります。一つは、主力だったスイス製品の品質が明らかに年々低下していたことです。製品の成形にも問題があり、耐久性も疑わしくなっていたんですよ。品質が落ちたことには、経営体制の変化が影響したのだと思います。しかし、今でこそワンタッチでパイプをクランプできる日本製品は他にも存在しますが、当時はほとんどなかったため、輸入に頼らざるを得なかったんです。お客様のためにも、その状況を変えたいとの思いがありました。
 
水野 建材の品質低下は、建設現場の業務品質の低下にもつながりますから重大な問題ですね。では、もう一つの理由も教えてください。
 
山田 コロナ禍で弊社の経営が大打撃を受けたことです。パンデミックの影響で、輸入が滞って品薄になり、商売がままならなくなりました。さらに2021年にはスエズ運河で大型船が座礁し、コンテナ船が減ってますます品薄状態になったんです。
 
水野 あの頃は建設資材などが不足していて大変でしたよね。
 
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山田 そうなんです。しかも、やっと入荷できても、先ほどお話しした通り品質の悪い製品ばかりで・・・。お客様に申し訳ないとの思いが強くなり、「それなら思い切って自分たちで理想の商品をつくろう!」と決意したわけです。
 
水野 お客さんのため、という思いが素敵です。しかし、新事業への一歩はなかなか踏み切れるものではないと感じます。しかも、コロナ禍というピンチでの挑戦でもありますし・・・。
 
山田 お客様のためでもあり、この挑戦をしないと自分たちも生き残れないとの思いもありましたね。
 
水野 ピンチだからこそ攻めの姿勢で臨む。山田社長の勇気あるチャレンジ精神と決断力を私も見習いたいです!