B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

当事者と家族の間に入り
最適なケアプランを提案

 

当事者と家族の間に入り、ケアプランを提案

 
glay-s1top.jpg
石黒 外交官への道から、介護福祉の道とは驚きました! しかも、大学院まで進んで学び直した介護職の方は珍しいと思います。
 
伊藤 そうかもしれません。やると決めたからには徹底的に取り組む性格でして。学んだ後に実務経験を積んで、2025年5月に開業しました。ケアマネジャーの仕事内容は昨今でも一般にあまり知られていないんです。石黒さんはケアマネについてご存じですか?
 
石黒 ええ。ケアマネさんがいてくれなかったらどうなっていたか・・・。私は祖母を東京に引き取って介護をしていた経験がありまして。80歳近くになって足が不自由になってから痴呆も入ってきて、どう対処したらいいか見当がつかなくなったんです。そんなときケアマネさんが寄り添ってくださって、最終的には老人ホームにお世話になりました。
 
伊藤 石黒さんも介護当事者でしたか・・・。介護に直面されてどんなことが大変でしたか?
 
石黒 まさか自分が当事者になるなんて、と戸惑いましたよ。祖母にしても、ずっと元気でいてくれると思っていましたからね。当時は仕事も忙しかったうえに、子どもたちも小さかったので仕事・育児・介護のトリプルパンチでした。
 
伊藤 それは本当にご苦労されましたね。石黒さんのように子育てと親の介護を担う人をダブルケアラー、また介護を担う若者をヤングケアラーと言いますが、どちらも近年増えていて社会問題になっています。しかし、実際に介護をする、介護を受けるなど、当事者になって初めてわかることや直面してみないとわからないことがほとんどです。そこをサポートするのが我々ケアマネジャー。例えば、ご家族や身内にも言いづらいお悩みが、利用者様にあるとします。そこに私たちプロが入り、円満に解決していくわけです。
 
石黒 当事者と家族の間に入って、調整してくださるんですよね。
 
glay-s1top.jpg
伊藤 はい。「夫婦や親子だと恥ずかしくて言えない」「プライドが高く家族に弱音を言えない」などの理由で、ハッキリ言えずに我慢し続けてしまう利用者様も少なくありません。ストレスが溜まってケンカになってしまったり、介護のモチベーションが下がり虐待につながったりと、関係が近すぎるゆえのトラブルが後を絶ちません。客観的に見えない部分も、第三者であるケアマネなら冷静に選択肢をご提案し改善できることも多いんです。
 
石黒 ケアマネさんに相談するという選択肢すら知らない人も多いと思います。私もそうでした。これから介護を経験する方には、「取りあえずケアマネさんに相談を」と声を大にして伝えたいです。