矢部　株式会社Zetton（ゼットン）さんが運営するベーカリーカフェPepe（ペペ）さんは、岸和田市で10年近く愛されているそうですね。広々としたイートインスペースは、ゆったりと寛げそうです。
 
辻本　ありがとうございます。当店以外にも、株式会社DANK（ダンク）として和歌山県などで3店舗のベーカリーを展開しています。実は全4店舗の中で、ここのイートインスペースが一番狭いんですよ（笑）。
 
矢部　え、これで！？　それにしても、4店舗も経営なさっているとは、辻本社長は、やはり昔からパンがお好きだったんですか？
 
辻本　飲食業が好きだったものの、格別にパンが好きだったわけではないんですよ。ただ、20代前半に和歌山県で欧風菓子をメインに手がけるお店に出合い、そこから製パンを学び始め、気付けば40年近くパン屋をやっています。
 
矢部　パンづくりにすっかり魅了されたのですね。
 
辻本　材料や発酵時間、使用する機械一つで、味がガラリと変わるのがパンづくりのおもしろいところ。これだけ長く携わっていても、いまだに新しい発見があります。それに、パンを通じてお客様とコミュニケーションをとるのが、この仕事の何よりの楽しみですね。
 
矢部　ということは、辻本社長自ら現場に立って、パンづくりや接客もなさるんですか？
 
辻本　はい、やはり私自身が現場のことをわかっていないと、本当に必要とされていることが見えてきませんからね。お客様のご要望に応えて、お子様向けのパンをつくったり、デザートをつくったり、常連さんが来る時間に合わせてお好みのパンを取り置きしておくこともあります。以前は、お客様にアンケートなどもお願いしていたんですよ。