水野　確かに、独立開業している中小企業診断士の方は珍しいかもしれません。
 
山口　ええ。ですから私は、中小企業診断士の業務内容やその魅力をYouTube動画やSNSで発信したりしているんですよ。
 
水野　YouTubeやSNSを活用して情報発信しておられるのは、特に若い世代に対して良いPRになると思います。でも、どうして独立して業務を行う中小企業診断士の方は少ないのでしょうか。
 
山口　中小企業診断士の資格は、企業に所属する会社員の方が、自身のスキルアップや自己啓発を目的に経営やマーケティング、財務・会計などの体系的な経営全般の知識を学ぶために資格を取得するケースが多いことが理由として挙げられます。もともと銀行員や金融・証券会社など大手企業に勤める方が取得していることが多く、近頃はIT関連企業の方の取得も増えているように思います。それに、先ほども申し上げたように、中小企業診断士には必ずしも資格を取得していなければできないという独占業務がありません。だからこそ、独立して活躍するためには、さまざまな業務に対応できるスキルが必要になるわけなんです。そのため、資格を取得するまでのイメージと、資格を取得してから実際に行う業務とのギャップを感じる人が多いのではないかと考えています。
 
水野　私も以前、管理栄養士の資格試験の勉強をしていました。管理栄養士も国家資格ではあるものの、その業務は簡潔に言えば食事の栄養管理が主です。それ自体は資格を持っていなくても各家庭で行えることなんですよね。ですから、試験勉強の内容と実際の業務内容に乖離が生じるというお話はよくわかります。