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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

墨絵アーティストが
芸術の楽しさを伝える

 

絵を描く活動の傍ら、水墨画と出合う

 
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ライブペイントなどの活動を行う
矢部 退職後、いつ頃から現在の活動を始められたのでしょう?
 
rie 本格的に絵を描き始めたのは2015年頃でしょうか。もともと好きだった絵を描きたいという衝動や創作意欲がふつふつと湧いてきて、最初は子育ての合間にSNS上で絵のコミュニティをつくったり、イラストを描いて販売したりしていたんですよ。そんなある時、全国平成水墨画協会という団体の会長も務めておられる水墨画家の方と出会いまして。以来、墨の濃淡や、白と黒だけでさまざまなものを表現する水墨画の魅力にはまっていったんですよ。
 
矢部 なるほど。それが、rieさんが墨アーティストとして活躍なさる原点だったんですね。
 
rie そうなんです。同協会の会長から、若い作家さんが多くのギャラリーの前で墨で絵を描くパフォーマンス、いわゆる“ライブペイント”をするからと紹介され見学したところ、「私ならもっとすごい絵を描けるな」と感じまして(笑)。
 
矢部 大きな自信があったんですね(笑)。それも、rieさんが積み重ねてきた実績があるからこそだと思います。その後、どうなさったんですか?
 
rie 会長に師事し、水墨画の伝統技法などを習得していきました。また、ライブペイントも精力的に行って各地でご好評をいただいたほか、多くの水墨画展でも賞をいただくようになったんです。そんな風に実績を重ねていくうちに、次第に伝統的な技法や文化をいかしつつ、私独自の感性と世界観を墨で表現してみたいと考えるようになりました。その結果として、既存の水墨画の枠を超えた墨アートを構築したんですよ。
 
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矢部 rieさんが墨で絵を描くことに感じる魅力をぜひ教えてください。
 
rie やはり先ほど言ったように、白と黒だけの限られた中でしか表現できない独特の風合いや、筆一本で描き上げるので失敗が許されないというスリルや緊張感なども魅力ですね。私が墨アートを始めた当時は、このような活動をしている女流画家はまだまだ珍しかったんです。現在では多様な価値観が尊重されるようになり、活躍する女性アーティストも増えましたね。
 
矢部 なるほど、独自の創作で実績を積んでこられたパイオニアというわけですね。