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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

楽しみながらものづくり
製造会社への支援事業

 

メーカーへの技術支援とX線検査装置の開発

 
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石黒 あらためて、TMSさんの事業内容について教えてください。
 
小林 弊社では、電機メーカーや製造業を営む会社への技術支援や各種業務サポート、製品の試作・開発支援などを行っています。中でも、長年携わってきた放射線測定器開発のノウハウや技術をいかして、X線検査装置、俗にいうレントゲン撮影を行う装置の製造・開発をメインに手がけているんです。
 
石黒 レントゲンと聞くと、やはり病院が真っ先に思い浮かびますね。
 
小林 そうですね。ただ、現在弊社で取り扱っているのは医療用ではなく、空港の手荷物検査や、構造物の不具合を調べるための非破壊検査に用いられる産業用の装置なんですよ。
 
石黒 確かに、空港の手荷物検査も私たちに身近なところです。非破壊検査とはどのようなものなんですか?
 
小林 例えば、ビルの壁の中や工場の入り組んだ機械の中など、通常は壊したり分解したりしなければ内部を確認することができません。そこで、人間の体内と同じように、X線で透過撮影することで検査個所を壊すことなくチェックするわけです。
 
石黒 なるほど。具体的な使用例もぜひ教えてください。
 
小林 弊社ではセキュリティ分野や大手電機メーカーの製造工場製品において、手荷物内容物や部品内面などの検査を行っておりまして。こちらが、実際の検査で使用している装置です。これはトランクに収納して運搬できる可搬式、つまり持ち運びが可能な検査装置でして、前職である富士電機株式会社との業務支援・委託により開発しました。
 
石黒 へえ~、こんなにコンパクトなんですか! 病院のレントゲン室にある大きな装置や、空港の手荷物検査で使うベルトコンベア式の装置をイメージしてたので驚きました。
 
小林 実は以前、TBS系のドラマで、可搬式X線検査装置を撮影に使いたいとの問い合わせをいただきまして、弊社も協力させていただいたことがあるんですよ。また、この可搬式装置をより手軽に使用できるようにと改良し、自社開発したのがこのボックス型の装置なんです。
 
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石黒 あ、これはもしかして、宅配ピザなどで使用されるスクーターのデリバリーボックスですか?
 
小林 そうなんですよ。フードデリバリー用のボックスを応用して、検査装置一式をコンパクトにまとめました。現在、意匠登録および実用新案で登録されているんですよ。ゆくゆくは誰でも簡単に運搬して、どこでも検査が行えるようにしたいですね。
 
石黒 場所を問わず運ぶことができて、誰でも簡単に検査が行えるようになったら、スタジアムやコンサート会場での荷物検査など、いろいろな場面で活躍しそうですね!