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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

職人の緻密な技が光る!
白金抵抗素子を専門製造

 

繊細な作業が高品質を生む

 
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石黒 御社が希少な会社だということがよくわかりました。それでは、あらためて白金抵抗素子の特長を詳しくお聞かせください。
 
吉野 白金抵抗素子が持つ特性の中でも、着目すべきはその温度測定の精密性です。特に低温域の測定に優れていて、測定範囲はマイナス200~500℃にもなるんですよ。現在は、繊細な温度の調節が要されるさまざまなところで導入いただいております。
 
石黒 なるほど。最近は、新型コロナウイルスのワクチンを輸送する際にも、温度管理の重要性が増していると聞きます。白金抵抗素子は見えないところから非常に幅広く、世の中の安全に役立っているんですね。
 
吉野 だからこそ、質には徹底してこだわって、製造を続けています。先日、お客様から交換のご依頼をいただいた弊社製品の製造年を確認してみたところ、なんと20年以上も前のものだったんですよ(笑)。
 
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石黒 20年以上ずっと不具合なく作動していたということですか! すごい耐久性ですね。ところで、白金抵抗素子は測温抵抗体に内蔵されているものということで、非常に小さそうです。その分、つくるのも大変そうですよね。
 
吉野 白金抵抗素子はセラミックスボディに白金線を組み込んで製造します。このセラミックスボディが小さい型だとコンマ数ミリしかないんですよ。その中に、コイル状に巻いた白金線を配線していくんです。しかも、そのコイル数も1本とは限りません。現に弊社では4本配線した製品も生産していますからね。配線する際はコイルを潰したり傷付けたりしないようにするのはもちろん、コイル同士が接触しないように細心の注意を払わなければなりません。ものすごく繊細な作業ではあるものの、それを着実に行うことこそ、品質の良さに直結するんです。
 
石黒 聞いていて思わずきょとんとしてしまいました(笑)。想像を絶する極小の世界ですね・・・。御社のような会社があるからこそ、高品質な白金抵抗素子が完成し、安全が保証されているのだと感じました。