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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

キャリア支援を通じて
全員が人生の主人公に

 

「キャリア=人生」と捉えコンサルティング

 
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矢部 その後悔が、小倉代表を新たな道に進ませたようですね。
 
小倉 はい、最初はうつ症状の社員の相談に応じるために、キャリア支援について学び始めました。そこで自分がまったく人の話を聴けていなかったことに気付かされ、気が付くと半年間養成校に通い、キャリアコンサルタントの国家資格を取得していました。資格取得後は、これからキャリア支援の道を目指す後輩たちの支援や、国の事業のお手伝い、そして「セルフ・キャリアドック」という組織に対する支援などを行いながら、2020年7月に弊社を創業しました。
 
矢部 小倉代表のバイタリティに驚かされますよ。キャリアコンサルタントとしての信念を、ぜひお聞かせください。
 
小倉 私の信念は「キャリア=人生」と捉えること。そして、会社と従業員が同じ方向を見つめ互いに成長できる環境づくりの支援です。「外発的動機付け」と言いますが、罰則や金銭的インセンティブ、昇進で人が動く時代は終わったと思っていて、今は興味や探求心、貢献感、成長感が人を動かす時代だと思います。そもそも終身雇用が崩れ、満足にインセンティブが払えない時代ですから、お金では社員は動かせないわけです。
 
矢部 確かに、小倉代表のおっしゃる通りです!
 
小倉 ですから私は社員一人ひとりが輝く企業、つまり、世の中から本当に必要とされる企業を増やすというポリシーでキャリア支援に取り組んでいるんです。ちなみに、矢部さんはキャリアという言葉の意味をご存じでしょうか。
 
矢部 ちょっと考えたこともなかったですね。学歴とか?
 
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小倉 キャリアとは人生そのものの意味で、語源は馬車が通った後にできるわだちなんですよ。人生とは、自分の歩んできた後が地面にできるわだちのように残るもの。だからこそ誰もが自分の人生の主人公として歩き、自分なりのキャリアを築くことが大事なんです。
 
矢部 なるほど。一人ひとりが自分の歩きたい道を設計し、その上にわだちを残せると素敵な人生になりそうですね。この考えを会社が取り入れてくれると働きやすい環境を提供できるでしょう。そのような社会を実現するために、小倉代表は社員のみなさんとどのように接しているのでしょうか。
 
小倉 端的に説明することは難しいのですが、例えば、価値観を共有することから始めることもあります。「Must・Can・Will」と言い、「しなければならないこと」とか「自分は何ができる」ではなく「何が好き、何をしたい」を訊ねます。これがはっきりと言える人は驚くほど少ないんですよ。そんなときは、子どもの頃に楽しかった出来事や、好きなアニメのキャラクターのことまで掘り下げていくと、何となく価値観が見えてきて、同時に信頼関係も構築できます。仕事の悩みだけでなくプライベートでの相談もできるようになるなど、個人の価値観や思いを大切にする会社、社員の幸せを経営課題とする会社を増やすことができたら最高だと思います。