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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

元バス運転手が個別指導
オンラインでも熱血授業

 

勉強がわからない子に教える時間が一番楽しい

 
石黒 塾での指導方針に自信をなくしたというお話、詳しくお聞きしてもいいですか?
 
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バス運転手時代の堀代表
 生徒を叱れないことに悩んでいたんです。私自身もともと勉強が苦手で、大学入試もE判定ばかりの状態から何とか追いついて合格できたぐらいでして。そんな私が塾で取り組んだのは、コミュニケーション重視の指導、勉強についていけない子もほめて励ましながら教えることで、それを支持してくれる生徒もたくさんいました。けれど、ほめるのは得意でも、生徒を導く立場として厳しく諭すことができず、自分にこの仕事は向いているのか自問自答する日々を過ごしていました。
 
石黒 ほめるところと厳しく接するところ、塾に何を期待するかは保護者も子ども本人も人それぞれでしょうから、難しいですね。そんな風に悩んで悩んで、一度は教育の世界を離れた堀代表が、もう一度やってみようと思われたきっかけが気になります。
 
 バスを運転中、学生が乗ってきて勉強の話をしているのが聞こえると、塾での毎日を思い出すんですよね。それで、だんだん教える仕事に戻りたい気持ちが強くなりました。
 
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石黒 いったん距離を置いてみて、自分が何をしたかったのかわかることってありますよね。それからご自身の塾を開くまではどんな道のりだったんですか?
 
 自分の夢に挑戦したいと告げた私を、バス会社の同僚たちは気持ちよく送り出してくれました。最初は教員免許を生かし、学校で数学を2年間教えました。集団授業は初めてだったから少しでも生徒のハートをつかみたいと思い、1回目の授業に運転手時代の制服だった帽子と白手袋の姿で行ったりして(笑)。クラス単位の授業も楽しく有意義だったものの、勉強がわらない子に個別で教えている時間の楽しさは格別で、やはり自分に向いているのはこっちだなと確信しました。
 
石黒 再び個別指導に戻ってきた堀代表は、生徒さんを叱れないというかつての悩みを、どのように乗り越えられたんですか?
 
 教育業界に戻るに当たって、いろいろな人に相談したんです。そうしたら、「堀先生は堀先生のやり方でいい」「無理に変えようとせず、今まで通りの雰囲気で生徒を導いたらいいと思うよ」と言ってもらえて、気持ちの整理がつきました。