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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

異色の経歴を生かし起業
顧客第一の家づくり

 

数少ない女性現場監督として奮闘

 
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駒田 大手地方銀行の花形とも言える仕事を捨てて、未経験の世界に足を踏み入れるとは、かなり勇気ある決断をされましたね。実際に入社してみて、いかがでしたか?
 
池上 最初に担当したのは、元銀行員の経験を生かした住宅ローンの提案業務でした。家をつくって、売って、お客様が喜んでくださる。建設業界の仕事にこれまでにないやりがいを感じて、いつしか「一生の仕事にしたい」と思うようになりました。
 
駒田 生涯をかけて取り組みたい仕事に出合えたのは、素晴らしいことですね。そこから現場監督の仕事にシフトしていったと。ところで、現場監督とは一体どんなお仕事なんでしょう?
 
池上 着工から引き渡しまでの工程表を組み、建築士が書いた図面を現場の業者に渡し、間違いなく施工されるかを管理する仕事です。現場監督がいないと、間違いが生じたり、予定と違うものが建ったりというトラブルが起こることもあるんですよ。家づくりの司令塔のような役割とも言えます。
 
駒田 業界未経験でそんなに重要なポジションに就くとは驚きました。現場で一から勉強される中で、ご苦労も多かったのではと察します。
 
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池上 そうですね。当時、女性の現場監督は珍しく、「女の人にできるの?」という雰囲気は少なからずあったと思います。実際、右も左もわからない状態でしたので、そこはもう正直に「わからないので教えてください」、「一生懸命やりたいので教えてください」と、職人さんたちに一つひとつ教わっていきました。
 
駒田 謙虚で真摯な姿勢が素晴らしいです。職人の方たちも喜んで成長を応援してくれたと思いますよ。
 
池上 素人同然だった私を温かく見守ってくれて、本当にありがたかったです。現場監督で建築の知識とノウハウを身につけた後は、営業に回りました。現場経験がある女性営業という珍しい経歴の私を頼りにしてくださるお客様が増えてきて、徐々に自信がついた頃、そしてもともと独立願望はあったので、少しずつ準備を始めて2019年に起業に至りました。