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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

故人と遺族の思いを汲み
遺品整理で安らぎを提供

 

声に出せない思いを汲み取るため起業を決意

 
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宮地 湯浅社長がこの仕事に興味を持った最初のきっかけは何でしょうか?
 
湯浅 当時は意識していませんでしたが、大学時代だったかもしれませんね。大学の心理学部で孤独死や核家族化について学ぶ機会があったんです。
 
宮地 確かに、今のお仕事につながるテーマでもありますね。では、どういう経緯で遺品整理の道に進まれたのですか?
 
湯浅 社会人になってから父が経営する不用品の収集運搬業を手伝っていたんです。その中で、写真など思い出の品と思われるものまでゴミ扱いにされることに引っ掛かりを覚えたんですよ。でも、自治体からの依頼が中心だったこともあり、個人依頼の不用品収集よりも、事務的に業務を行わなければいけないことが多かったんですよね。
 
宮地 自治体を通しての仕事だと、遺族の方は「これは持って帰りたいです」など、要望は出せないものなのでしょうか?
 
湯浅 いえ、そんなことはありません。でも、やっぱり自治体を通してお願いしているという立場上、思っていてもなかなか口に出せない方が多いんですよ。
 
宮地 確かにあれこれ注文はつけにくいかもしれませんね。でも、写真や思い出の品を処分するというのは、ご遺族はもちろん、業者の方にとっても心苦しいですよね。
 
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湯浅 ご家族にしかわからない大切な遺品もありますしね。その判別を事務的な作業の中で行うのはとても難しいんですよ。ですから、ご遺族の方と確認しながら整理を行いたいと思ったのも、起業の動機です。
 
宮地 むしろ家族だからこそ価値がわかる物がありますよね。そこをきちんと汲み取ってあげるのも、遺品整理の仕事なんですね。
 
湯浅 ええ、ですから私は、依頼された方々の心に寄り添うことをとても大事にしています。どんな感情でおられるのか、気持ちの部分を読み取ることも遺品整理士として必要なことだと思っているんです。
 
宮地 そういう方に遺品の整理をサポートしていただけると、遺族の方もきっと心強いと思います。大学で心理学を専攻された経験も活かせそうですね。