
インタビュアー 八木裕(野球解説者
冨田 私たちは、もともと同じ大学病院に看護師として勤務していました。ただ、その時は配属先が違ったためまったく面識がありませんでした。しかし何の巡り合わせか、前職場の病院でたまたま同僚となったんです。そこでは、本当にいろいろな壁にぶち当たりました。その中でどうしても“変えなければならない”と譲れなかったのが、看護師の倫理観やモラルに関する問題だったのです。そこで枝澤と二人で問題提起し、行動を起こしました。しかし、大きな組織の中では、少数派である私たちの行動だけではなかなか周囲の意識を変えることができず、「それなら独立して、憧れでもあった訪問看護の道に進もう」と決意したのです。

副所長の枝澤尚美氏
八木 こうしてお話を聞いているだけでも、お二人の熱意がよくわかります。看護を受ける利用者さんからすれば、これほど熱心な看護師さんは頼もしいでしょうね。
冨田 実を言うと私は以前、看護師としての仕事に行き詰まり、道を見失いかけたことがあったんです。そこで、趣味のサーフィンでプロを目指そうと練習を積むために種子島に移住したこともありました。思い立ってすぐに、勢いだけで突っ走りましたね(笑)。