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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

患者の良い明日のために
24時間対応の訪問看護

 

終末期を安心して過ごせるように

 
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タージン ご自身が理想とする看護について模索していらっしゃったんですね。鈴木社長が、ジレンマから解放された瞬間はいつだったのでしょう?
 
鈴木 亡くなった祖母、そして母を、私が自宅で看取ったときでした。どちらも終末期には「病院には戻りたくない。自宅で過ごしたい」と在宅療養を希望し、私もその希望どおりに、自宅で最期を看取ったんです。すると、周囲から「医療を放棄した。見殺しだ」と非難されました。しかし、私には決してそうではないという確信が生まれたんです。本人が最期の時間を、住み慣れた家で過ごしたいと希望するのなら、何としてもその願いをかなえてあげたいと思ったんですよ。
 
タージン なるほど。そこから、鈴木社長の訪問看護への挑戦が始まったわけですね。
 
鈴木 ええ。その後、縁あって市内の社会福祉法人に10年以上勤務しました。そこで訪問看護やターミナルケアに携わったんです。その中で、終末期の患者様をご自宅でお看取りしたとき、患者様がご家族と一緒に大切な時間を過ごし、本当に穏やかで安らかな最期を迎えられたのだと実感しました。その姿を見て、「自分の考えは間違っていなかった」と、私自身も救われたんです。そして、この仕事に一生を捧げようと決意し、自ら訪問看護ステーションを立ち上げるために昨年の2018年4月に起業しました。
 
タージン 鈴木社長の訪問看護への並々ならぬ思いが伝わってきますね。ところで、このeXASという社名には、どんな思いが込められているんでしょう?
 
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鈴木 社名は「良い×明日」という意味なんです。つまり「イー×アス」をアルファベットに置き換えたのがeXASなんですよ。弊社および当施設は、経験豊かな10名の看護師をはじめ、介護福祉士や事務のスタッフなど、多くの人に協力してもらいながらスタートしました。ここまで豊富な経験や熱意を持ったスタッフに恵まれるのは、非常にまれなことだと思います。24時間、365日の対応が可能になったのも、高い意識と優れたスキルを持ったスタッフのおかげですね。スタッフたちは本当に自慢の存在ですよ。私も心から感謝しています!
 
タージン そんな最高のスタートが切れたのも、スタッフのみなさんが鈴木社長の熱意に共感したからこそでしょうね。それでは、スタッフ間での取り組みや、サービスで重視していることなどもお聞かせください。
 
鈴木 当施設では現在、NPO法人日本緩和医療学会が行う緩和ケアの継続教育プログラム「PEACE(ピース)プロジェクト」の研修を受けています。がんによる苦痛をやわらげる緩和ケアや終末期ケアにおいて、患者様の身体だけでなく、精神的な苦痛もやわらげるよう、心もケアする看護に重点を置いているんです。そのほかにも、社内の勉強会やミーティングなども充実させて意識を共有し、互いに看護のスキルを高めあっています。