知的障がい者と共に歩み
奥多摩に根づいて30年
奥多摩で地域の信頼を得るまでの歩み

山下 そうですね。身内に知的障がい者がいる者でも、友人・知人へ知的障がいについて正しく説明するのは容易ではありません。というのも、会話ができる人もいれば、重度障がいの方もいるなど、障がいの度合いは千差万別だからです。そうした理由から、園生たちを理解してもらうには実際に触れ合ってもらうのがベストだと考え、私たちは施設をベースに地域の方々と自然に触れ合える機会を増やす努力をしてきました。
川上 具体的にはどのような活動なさってきたのか、教えてください。
山下 身近なところでは、1年を通じて地域の清掃を行っています。あと積雪の多い地域なので毎年冬には雪かきもしていますよ。
川上 まずは日々生活の中で地域へ貢献し、隣人へ挨拶するだけでも良し、とする考え方ですね。健常者も含めて人が生きていくうえで、最も基本的な大事な取り組みだと思います。

原木栽培による椎茸づくりの様子
川上 園生たちと地域の方々が自然に触れ合う機会としては、最高の舞台ですね! 日常生活の中でミクロ的に他者と触れ合う機会をつくりながら、イベントごとにマクロ的な広範囲の機会をつくり、さらには仕事にまでつなげられているのは素晴らしいです。
山下 ありがとうございます。長年お世話になっている地域の人々への感謝を大切にしながら、一人でも多くの方に園生と触れ合ってもらえるよう試行錯誤を続けています。障がい者がポジティブな注目をしてもらうために、今後も拡充していくつもりです。