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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 栃木県出身。小学生の頃から父の経営する(株)大勝建設を手伝う。高校卒業後は家具の製造会社へ就職。幼い頃から父や兄、恩師のもとで鍛えられた技術が活かされ、短期間で本格的な製造部署へ。その後は(株)大勝建設に戻り、営業や経理、図面技術の習得など新たな意識を社内に根付かせ、職人のスキルの幅を広げることに邁進。現在、多数の有資格者をそろえる社の礎を代表取締役として築いている。【ホームページ
 
 
 
「職人気質」という言葉には、良い意味とそうでない意味が含まれる。良い意味とは「一本気で真面目」、そうでない意味とは「頑固」。技術へのこだわりは、時に視野の狭さを招く。それは高い場所に立つ鳶職人にとって、ある意味で致命的と言える。そこで優れた鳶職人に欠かせない広い視野を得るため、株式会社大勝建設が推奨するのが資格の取得だ。永田勝美代表取締役を筆頭に、楽しく学び続ける風潮が大勝建設には根付いている。
 
 
 

回り道をした先で働く喜びを知る

 
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インタビュアー 時東ぁみ(タレント)
時東 足場工事や鉄骨工事、一般建築工事などを手がけている大勝建設さん。創設者は永田社長のお父様だそうですね。
 
永田 はい。私も小学生の頃から、よく父の仕事を手伝っていました。でも、私は4兄弟の次男坊ということもあって、高校卒業後は別の会社の家具工場に勤めたんですよ。
 
時東 子どもの自主性を尊重されるご家庭だったんだ。お父様の下ではなく、別のところで働こうと思われたのはどうしてですか?
 
永田 父の下で働きたいという思いも、もちろんありました。でも、「今の実力では父や兄、弟には敵わないから、別の力を身につけたい」とも思ったんです。まぁ、当時は兄弟たちと喧嘩ばかりしていたから、というのもありますが(笑)。幸い、木工の技術は高校の恩師が親身に指導してくださったので、家具工場での仕事は順調で楽しかったですね。つくった書棚が7万円で売れた時は、それは嬉しかったものです。
 
時東 働く喜びを知った瞬間があったのですね。その後、家業に戻られたきっかけは?
 
永田 地方銀行へ転職することになり、入社までの期間に実家でアルバイトをしましてね。手伝っていた子ども時代のことを思い出したんですよ。当時、青二才だった私を、現場の職人さんは大の男扱いしてくれたんです。「やっぱりこの仕事が好きだ」と思い直しました。もっとも、相変わらず技術では父や兄、弟には太刀打ちできませんでしたが(笑)。