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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

福祉車両の販売と修理
レンタルでも社会貢献

 

常に利用者の立場で考える姿勢

 
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宮地 福祉車両のメンテナンス業務も行われていますが、普通の車のメンテナンスとは違うものなんですか? 
 
荒川 そう、全然違います。そもそも福祉車両と一口に言っても、利用者の状態によってそれぞれに構造が違いますからね。私は皆様の大切な車両をきっちりと整備できるように、岐阜県にある福祉車両専門のリース会社に泊まり込みで研修を受けに行ったり、全国総合福祉車両協議会の認定ライセンスを取得するなど、日々技術の向上に努めています。35年間、車整備一筋でやってきましたが、まだまだ勉強の毎日です。
 
宮地 本当にプロ意識が高いですね。尊敬します。
 
荒川 やはり、福祉車両のメンテナンス技術を持っている工場と、持っていない工場では整備のスピードや質に大きな差が出ますからね。やさしいくるま工房なら半日でできる作業が、他社では3日くらいかかることもある。そのぶん費用も時間も無駄になるでしょう? それらのお客様のご負担を、できるだけ軽減してあげたいんですよ。
 
宮地 お話を聞いているだけでも、常に利用者目線でお仕事されているのがよくわかります。では最後に、今後の目標を教えていただけますか。
 
荒川 福祉車両の認知度を上げていきたいです。ただ、一度に広がるものではないとわかっているので、介護施設を回ったり、講習会を開くなど地道な活動を続けていきますよ。
 
宮地 講習会ではどんな話をされているんですか? 
 
荒川 一番は、「利用者の立場になって考えてください」 ということです。この前の講習会では、福祉車両をいつも運転されている施設の職員の方々に、「車イスの方の立場で福祉車両に乗ったことはありますか?」 と質問しました。すると一人もいなかったんですよ。でも、やはり自分で経験してみないとわからないことがたくさんあります。職員の皆様も、実際に車イスの方の立場で乗車した後は、今まで以上に安全運転になりました。
 
宮地 何でも実際に自分で経験してみることは大切ですよね。
 
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荒川 だから、若い人たちにやさしいくるま工房を見学に来てもらいたいんです。ここで車イスの方や介護されている方の苦労を体験できれば、横断歩道の信号待ちの時に 「早く渡ってよ」 と不満を感じるような健常者のドライバーもいなくなると思う。多くの人にそんな思いやりの心を持ってほしくて、「やさしいくるま工房」 という屋号も、「人に優しく」 という意味を込めて名付けました。私の事業を通じて福祉車両の存在を知ってもらうことで、多くの人が優しい気持ちになれれば、こんな嬉しいことはないですね。
 
 
 
 :: 事業所概要 :: 
   ■ 事業所名 やさしいくるま工房
 ■ 所在地 〒379-2313 群馬県みどり市笠懸町鹿19-1
 ■ 事業内容 福祉車両の整備・点検事業 他
 ■ 創業 平成6年8月 (荒川自動車)
令和5年1月 (荒川自動車株式会社)
 ■ 従業員数 3名
 ■ 主な取引先 群馬ダイハツ自動車株式会社/群馬トヨタ自動車株式会社/日産プリンス群馬株式会社/有限会社フジオート(FUJICON)/和光工業株式会社(WAKO)/カワムラサイクル 他
 ■ ホームページ http://yasashiikuruma.com