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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

マルチなスキルを社内に蓄積
職人気質のディスプレイ施工業

 
 
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 相原 その考え方は、どなたの影響で始まったものなのですか。
 
平井 先代社長でもある私の父です。父は職人気質で、すべてを自分でやらないと気がすまないタイプでした。私は6年前に会社を継ぎましたが、継いだのは、仕事が増えすぎて、分業体制を取らざるを得なくなったのがきっかけだったんです。父が「他人がやった仕事の責任を取るのは嫌だ。おれは辞める。後は勝手にやれ!」と言い出しまして(笑)。
 
 

やり方を完全否定されながらの巻き返し

 
相原 職人気質を絵に描いたような(笑)。でも、それだけプライドを持ってされていたんでしょう。バトンタッチはうまくいきましたか?
 
平井 万事問題なくというわけにはいきませんでしたね。実は私はもともと、学業を終えてから最初に家業に入ったのですが、父と馬が合わずに一度辞めてしまっているんです。それから長距離トラックの運転手をして、16年前に戻ってきました。
 
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相原 先代と馬が合わなかった、その理由というのは?
 
平井 父はいかにも職人という、人付き合いがまったくできない性格なんです。技術はあるけどぶっきらぼうで、人が集まるところが苦手で。しかし私は180度違うタイプ。人付き合いが大好きでしたから、お互いの仕事に対する考え方が違いすぎたのです。
 
相原 う~ん、それは難しい関係かもしれませんね。
 
平井 高度経済成長期からバブルがはじけるまでは、営業などしなくても次々に仕事が入ってくる時代でした。その頃は父のような性格でもよかったのですよ。しかし、やはり不況で難しくなってきますよね。そこで仕事を増やして、5千万円くらいだった売上げを1億2千万にまで増やしたら、父は 「失敗するのは目に見えている」 「自分の仕事に責任をとれないから辞める」 と言うようになって。
 
相原 そんなふうに言われて、どのように思われました?