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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

安全・救命・防災講習で 命を守る組織構築を支援
 S&Dテクニカルアカデミー 代表 田中伸穂

 
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インタビュアー T-岡田(野球解説者)
T-岡田 大阪府吹田市で物流業界を中心に、多様な業種の安全対策・救命措置・防災対策の講習などを手がけるS&Dテクニカルアカデミーさん。田中代表は物流業界で26年ものキャリアを積んだ現場のプロだそうですね。
 
田中 はい。食のインフラを支える仕事を経験した後に物流業界に転身し、倉庫のリフトオペレーター、大型トラックによる運搬、物流施設のセンター長や安全管理部門の責任者などの現場を経験してきました。
 
T-岡田 まさに現場作業の一通りを知り尽くしているわけですね。大型トラックの運転には、熟練の技術が必要と聞いたことがあります。
 
田中 特に印象に残っているのは、雪で凍結した峠道を越える配送です。積み荷のバランス一つでタイヤの接地圧が変わり、グリップ力も大きく左右される。運転をしながら肌でその感覚を知ったとき、「一瞬の油断が命取りになる」という恐怖を感じました。結局、車両や設備がどれだけ進化しても、最後に判断して操作するのは人です。だからこそドライバーの皆さんに、自分や誰かの人生を背負っているという自覚を持っていただくことが大事で、その意識づくりまで含めて支援したいと考え、起業しました。
 
T-岡田 技術だけでなく、仕事に向き合ううえで大切な心構えについても指導してくれると。ただ、経験豊富なプロほど意識を変えるのは難しそうです。
 
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田中 確かに、理屈だけでは現場の方々の心は動きません。だからこそ、論理的な裏付けを大事にしています。例えば、危険を感じてトラックを停止する操作をした場合、ブレーキがきき始めるまでの間に走る空走距離と、ブレーキがきき始めてから停止するまでの制動距離があります。これを合わせた距離が停止距離と言われるものですが、ほとんどの方は空走距離という人間の身体の構造上、止めることのできない距離を忘れています。ところが、ベテランドライバーの中には「俺はトラックを手足のように操れるから、危険を察知したらすぐに停止できる」と思い込んでしまっている方もいます。でも実際、ブレーキがきき始めるまでには1秒以上かかってしまう。だからこそ、一定の車間距離が必要なんです。
 
T-岡田 経験だけでなく、エビデンスに基づいて伝えてくれるからこそ説得力がある。しかも、田中代表自身が現場を知っているから言葉が生きていますよね。
 
田中 ありがとうございます。自分が納得していないことは伝えられませんので、経験に基づいてお話をするようにしています。