初めて見るその世界観は
最高にエネルギッシュだった!
馬場社長の話では、タイムレス社はもともと、リユース業界のBtoBビジネスで成り立っていたらしい。その後、2010年代に入ると世間でSDGsが叫ばれるようになり、業界に新規参入する事業者が急増した。そこで事業の一部としてオークションを主宰し始めた。そして今は、ブランド品を中心に平場オークション――リアルで行う公開形式の競りをこう呼ぶそうだ――を開催し、一日あたり1億円近くを取り扱っているというのだからビックリだ。
具体的な流れはこうだ。まず、契約業者が持ち込んだブランド品が、会場の最後方の机にドサッと積み上げられる。そして一点ずつ、後ろの席に座っているバイヤーから前の席に座っているバイヤーへ、手渡しで順々に送られてくる。バイヤーは手元に来た品を見て心の中で競り値を決める。この日は40名前後のバイヤーが参加していた。そして最前列のバイヤーも見終わると、競り台にいるオークショニア(競売人)が品を受け取って台に置いて、「はい、**万円から!」とスタート価格を示す。バイヤーは、それが自分の思った競り値より高ければ見送るし、低ければ、自分の競り値を言って他のバイヤーと競う。
それを一日に約4000点、4000回繰り返すというのだから、競り落とされるのも早い。バイヤーは若くて活気があり、人間と人間がぶつかり合うリアルの場だから、私には映画のワンシーンにも見えた。
ちなみに会場の席取りにも暗黙の了解があって、まだ経験が浅いバイヤーは後ろの席に座る。前に座るのは業界歴が長いベテランのバイヤーになるそうだ。別に明文化された取り決めがあるわけじゃないが、自然にそうなるあたり、職人の世界だな~と思って拝見した。
カメラに関しては、まだ扱っていないが、私が思うに、100万円でスタートして120万円で競り落ちるような商品を扱っていると、カメラみたいに1万円でスタートして1万2000円で落ちるような商品では、旨味が少ないんだろう。そうはいっても業者からは中古カメラも日々持ち込まれるから、そっちはそっちで大変なんだそうだ。
旧世代の老舗カメラ店のご商売が
百貨店の催事になっていた
松屋銀座に到着し、催事フロアに上がって会場を見渡すと、24店が出店していた。それが見事に、ほぼ高齢店主なんだよね。「こりゃまた、同じ中古品の世界でもさっきの会場と全然雰囲気が違うな」と思いつつ、何人かの出店者さんと名刺交換をさせていただいて、お話を聞いたところでは――
その方は、以前は都内で中古カメラの商売をしていて、今は地方に住んでいるんだけど、お客さんが付いているので、年4回の催事への出店が実質的に商売のメインだそうだ。
補足として私から解説すると、カメラ業界はなんだかんだ歴史が古いから、業界内の棲み分けがバチッと固まっている。その世代の中古カメラ店のオヤジさんたちは、先ほどのオークションに来るような若い世代の店とは接点がない。一方で、中古カメラの流通は、今はどんどん、中古品を「リユース品」と呼ぶようになってから出てきた若い世代の店主たちの世界にシフトしている。そうなると当然、古い世代の店主たちには情報が入ってこない。今の売り方、今のニーズ、今のユーザーが集まっている場所、等々。そういった情報から取り残されてしまう。そのせいかどうか、オヤジさんたちも新しい動きに興味がなくなるんだろう、まったく別の世界観を醸し出していた。
お話をうかがったその出店者さんいわく、見よう見まねでネット通販も始めてみたそうだ。だけど、お世辞にも見やすい仕様になっているとは言えない。それは自分でもわかっているが、とりあえず食うには困らないから今のまま続けている――とまぁ、ざっくり言えばそういうお話だった。
全国に眠っている良い品がユーザーと出合う
その“場づくり”ができたら!
そこで閃いた。「この世代の“本当の目利き”の中古カメラ店が、全国にはたくさんある。その人たちの店に眠っているカメラは、いわば宝の山だ。そのお宝が今のユーザーと出合うことができれば、出合う場がつくれれば、困っているこの世代のカメラ店のお役に立てるんじゃないか。中古カメラの世界に多少なりとも新風を吹き込めるんじゃないか」と。
もちろん、数時間前にBtoBオークションの世界を初めて見たからこその閃きだったのは言うまでもない。その意味で馬場社長には大いに感謝している。あと、新潟県のタカナシカメラさんにも、この場を借りて感謝したい。サトーカメラの中古カメラ市にも出店してくれて、松屋銀座で定期的に中古カメラの催事が開かれているというのも、高梨社長が教えてくれた情報だったからね。
どう動くかはこれからだけど、父の代から始めて足掛け61年、ここに至ってまだ、カメラ業界に向けて新たな貢献ができるかもと思うと、嬉しくてしょうがない。「うちにもいいカメラが眠っている!」という全国のカメラ店さんと、ぜひつながりたいです。
問い合せ:contact@jspl.co.jp
■おおさか勝人塾 4月開催
日時:4月1日(水)13:00〜17:00
会場:大阪市北区堂島2-2-23白雲ビル303
参加費:1名1万1000円(税込)懇親会別途
事務局:経営コンサルティングアソシエーション
問い合せ:06-6344-3636(担当:稲原聖也)
申し込み:info@association.co.jp
■ぎふ勝人塾 4月開催
日時:4月22日(水)13:00~17:00
会場:岐阜県岐阜市橋本町ハートフルスクエアG
参加費:1名1万1000円(税込)懇親会別途
事務局:Makeovers株式会社
問い合せ:0575-23-0323(担当:加納裕泰)
申し込み:https://makeovers.jp/hone-2-2/kanounikiitekudasai/
■にいがた勝人塾 5月開催
日 時:2026年5月14日(木)14:00~18:00
会 場:新潟県新潟市西蒲区甲2548-3バルズビル3階
参加費:1名1万1000円(税込)
事務局:おぐま経営研究所
問い合せ:090-1533-0908(担当:小熊憲之)
申し込み:oguma.style@gmail.com
■とやま勝人塾 5月開催
日 時:2026年5月20日(水)14:00~18:00
会 場:富山県滑川市常盤町滑川SCエール2階会議室
参加費:1名1万1000円(税込)懇親会別途
事務局:滑川ショッピングセンター
問い合せ:076-475-8500(担当:高木久斗)
申し込み:https://hotaruika.org/inquiry/
■佐藤勝人YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw
vol.113 BtoB向けオークションの世界を初めて見て、カメラ業界への新たな貢献の道を探った
(2026.3.18)
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ代表取締役副会長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長
経 歴
栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。
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