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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

信頼で顧客を広げる
不動産事業の風雲児

 

大切なのはオフ・ザ・ボールの動き

 
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今岡 山田社長は、非常にがっちりした体格をされていますよね。
 
山田 学生時代に、サッカーをやっていたからだと思います。大学3年生までは本気でプロを目指していたんですよ。
 
今岡 相当サッカーに打ち込まれていたんですね。卒業後は新卒で不動産会社に就職されたんですか?
 
山田 はい、仲介業では業界ナンバーワンと言われる大手に入社しました。不動産業に就職した時点で、いずれは独立しようと決めていましたので、ある程度経験を積んだ後、今度は中小の不動産会社に就職し、そこで2年ほど中小の不動産業を経験して起業したんです。大手で経験を積んでから中小で商売を学んだ流れは、独立を目標に逆算したうえでのプロセスで、今振り返っても良い流れだったと思っています。
 
今岡 以前は大企業でもプロ野球でも一つの会社、一つのチームで生え抜きになることが能力のある人材の証という感じでしたよね。でも我々の世代くらいになってからは、さまざまな場所で経験を積み、人脈を増やすことも大事とされるようになってきました。そんなふうに価値観も変わっていくもの。だからこそ、その時に正解だと言われてきたこともまずは疑ってみて、自分で考えて行動することを私は大事にしてきました。阪神からロッテに移籍したのも、ゆくゆくは指導者になろうと心に決めていたので、経験の幅を広げるため、先を見据えての決断だったんです。野球と不動産業、お互いに業界は違えど、目標のために逆算して自分の行動を決めるという点が共通していますし、山田社長からは私と同じ匂いがしますよ。サッカーのご経験も、今のお仕事に活かされているのではないでしょうか。
 
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山田 そうですね。畑違いのように見えて、実は不動産業とサッカーは良く似ているんですよ。例えばサッカーでは、試合時間90分のうち、自分がボールに触れる時間は2分ほど。その2分でベストパフォーマンスを出すために、残りの時間で何をするかというのが大事なんですよね。このボールに触れる2分が、不動産業で言えば、お客様とお会いしている時間です。お客様と実際接していない時間に、どれだけの準備をして相手のことをどれだけ想えるか。そこで、信用を積み重ねて信頼を得られるかどうかが決まるんです。
 
今岡 ボールに触れていない時間、すなわちオフ・ザ・ボールこそが大事なんですね。
 
山田 おっしゃる通りです。ボールを持ったとき、つまりお客様と接するときは、まさにシュートチャンス! 真剣勝負ですね。この営業スタイルは、大手よりも前職の中小で培った経験が軸になっていますね。わかりやすく言うと、一つひとつの案件に対して、大手は“捌く”もので中小は“向き合う”ものなんですよ。