狩野　長年勤めていた会社が急に倒産したときは、さぞかしお困りになったのではないですか？
 
佐々木　私を含む従業員はもちろんのこと、一番お困りになったのは、物件を我々に預けてくださっていたお客様ですよね。我々に一任してくださっていたわけですから、その信頼を裏切るわけにはいきません。何とかしなければと思っていたところ、複数のオーナー様から「佐々木さんを信じて任せるからなんとかしてよ」とお声がけいただいたんです。
 
狩野　企業の信用よりも“人としての信頼”が勝ったんですね。
 
佐々木　15年間すべてのお仕事に対して一期一会を大切にしてきたかいがあったな、と本当に嬉しかったです。私を信じて任せてくださったお客様方には、感謝の気持ちでいっぱいです。だからこそ、一生懸命お仕事をさせていただきたいと思って、現在も事業に邁進しています。
 
狩野　一期一会を胸に、心を尽くして仕事を積み重ねてこられた。だからこそ築けた、信頼関係なんですね。私もプロの世界から退いたとき、人付き合いの尊さを痛感しました。野球選手はどこか一匹狼なところがありまして、ストイックに自分と向き合わなければならないんです。引退してからは、特に人とのつながりの大切さを実感しましたね。やっぱり人って最後は“誰と関わるか”だと思います。お話をうかがって、オーナーさんたちが佐々木社長という人を信頼して、会社が倒産してもお付き合いを続けようとしてくれたことを、素晴らしいなと感じましたよ。
 
佐々木　ありがとうございます。そう言っていただけると、あらためて身が引き締まる思いです。今後もその信頼に応え続けられるよう、精一杯努めていきたいですね。