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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

子どもたちを笑顔にする
楽しいトランポリン教室

 

障がい児も受け入れ、楽しむ姿を見守る

 
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宮地 ところで、トランポリンのためには天井の高い施設が必要ですよね。こちらの教室はどのようにして準備したのか教えてください。
 
今井 実はこの場所は、建築関係の仕事をしている主人が、息子と娘のために設計・施工してくれた練習場なんです。子どもたちは本格的なトランポリン競技の選手を目指し、トランポリンの名門である現・金沢学院大学附属高校に進学しまして。それで、空いたこの施設を活用して教室を始めたんです。現在では生徒たちの指導に、私の子ども二人も加わってくれています。
 
宮地 選手として活躍していたお子さんたちも協力してくださっているんですね! お二人は指導者としての勉強もしておられたんですか?
 
今井 ええ。日本全国でトランポリンを普及するために、金沢学院大学附属高校・大学では選手たちに指導者としての育成も行ってくれています。指導者である先生方も普及活動をしてくださっていますし、世界で活躍したのちに引退した選手たちも、日本各地でトランポリンを教えているんですよ。
 
宮地 トランポリンに関わる人々全体で、指導者の育成を軸に、地域に根ざした教室づくりを試みているわけですか。これはほかのスポーツにとっても、競技を普及するモデルケースになりそうですね。その一方で、教室には選手を目指す生徒だけでなく、さまざまな目的で通われている方もいらっしゃるとお聞きしました。
 
今井 その通りです。競技クラスは息子と娘が指導し、私はレクリエーションと障がいのあるお子さんのクラスを担当しています。トランポリンは跳ぶだけで楽しいので、子どもたちが参加する間口が広くとても人気があるんです。そんな中で、「障がいがあってもやってみたい」と来てくれた子がおりまして。そこから、障がい児クラスがスタートしました。
 
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宮地 障がいのあるお子さんを受け入れるにあたって、どんな工夫をされているんですか?
 
今井 重度・軽度の障がいを持つお子さんですと、集団で動くことが苦手だったり、ほかの子と足並みがそろわないことを負担に思ってしまったりする子も多いんです。そのため、当教室ではマンツーマンでのレッスンを行っています。最初は遠くから見ているだけの子も、私が跳んで見せると、少しずつマネをするようになっていくんです。そして、できることが増えるとさらに楽しくなって、新しい技にも挑戦するという良い循環ができていきます。
 
宮地 手取り足取り教えるのではなく、自分自身で挑戦したくなる環境をつくる指導法なんですね。
 
今井 そうですね。それが一番大切だと思います。それにトランポリンは、体幹を鍛えるだけでなく、脳へ良い影響を与えるという研究結果もあるんですよ。そのような理由もあり、障がいのあるお子さんだけでなく、お母さん自身が健康のために通い続けてくださるケースも増えてきています。