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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.106 『ONE PIECE』とChatGPTにハマった今年の夏

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.106 『ONE PIECE』とChatGPTにハマった今年の夏 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは! 佐藤勝人です。お盆休み中は少し天気が崩れて熱さが和らいだけど、皆さんはどんな夏を過ごしていますか? 私はといえば、先日地元の夏祭りに行ってきて、そこで手相見に手相を見せたら「60代で人生の第二のピークが来る」「92歳まで生きる」と言われました。また、金運は、「お金は入っても溜め込むことはなく出ていく。出ていくけどちゃんと入って来るから心配ない」とのことで、太鼓判を押されました。
 
 

去年の夏は寅さん
今年の夏は『ONE PIECE』

 
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「これから第二の人生のピーク」と言われた夏祭りにて。
ちなみに奥さんは100歳まで生きるんだって!
これからもういっぺんピークが来るってありがたいなぁ、何があるかなぁ、と思っていたら、「そういや去年の夏は寅さんにハマったんだった」と思い出した。映画『男はつらいよ』の全シリーズを一気見して、今の60代~80代の、私より上の世代の諸先輩方がどんな信条、どんな考えで世の中を生きてきたか、今も生きているかを、あらためて深く理解できた。あれはいい経験だった。
 
そして今年の夏。私はアニメ『ONE PIECE』にハマった。正確には、ハマったというより、家族が全員好きだから私も一応見ておくつもりでネットフリックスで見始めたら、「これは今の30代40代の人たちの信条や考え方を理解するのに最適だ」と気付いたから、集中的に見始めたということだ。1999年秋に初回が放映され、通算で1000話以上あるそうだからまだ全然初っ端(しょっぱな)だけど、それでも、その世代の感覚が今までよりよくわかるようになったと思う。
 
そのせいかどうか、ChatGPTをはじめとする生成AI(対話型AI)を業務に導入することに関しても、他の同世代よりも抵抗なく、むしろ、いったん使い始めたら他の人たちより積極的に取り入れている自分がいる。
 
 

施策を瞬時に立案してくれるAIは
世界一頭がいいコンサルタント

 
例えば、私の師匠である元船井総合研究所取締役の宮内亨さん(編集部注;同氏は連載vol.32vol.91などに既出)が昔考案してくれた手書きの戦略フローチャートをスマホで撮ってChatGPTに読ませて、「これをサトーカメラに落とし込んだ場合の施策を示してくれ」と指示したら、ババッとたちどころに三つ四つ出してくれる。
 
他にも、特定のメーカーの商品を店の普段のラインナップに加えようとする際に、「うちの場合はこの商品はどう売ればいいか、教えてくれ」と指示したら、販促プロモーションの企画案を、ネーミングからポップデザインに至るまで瞬時に出してくれる。以前は会議で丸一日、ない頭をしぼってウンウン唸って考えていたのが嘘みたいだ。
 
もちろん、これまでの事業や業務に関連する事柄をすべて情報化・データ化し、AIに学習させるという大前提の作業は必要だ。けど、それさえ怠らなければ、AIはいわば、「世界一の頭のいいコンサルタント」になってくれる。それも24時間365日いつでも相談し放題だ。
 
この連載の制作チームの一人によると、今、ChatGPTとの対話に時間を溶かしている経営者が日本中で爆増しているそうだが、その気持ち、わかるなぁ。だって、彼らからしたら社内で唯一、自分を遥かに超えたレベルの相談相手だもの。そりゃそうなるよ。しかも、否定的なことはあまり言わないしね。そりゃあ、気分が良くなって何時間でも話しちゃう。
 
 

よく言われる懸念はどこまで問題か
実は大した問題ではないのでは?

 
私がそう返したら、その彼(制作チームの一人)が、「否定するようなことは絶対に言わない」という点を踏まえてこんなことを言ってきた。「良い悪いは別にして、否定的なことを一度も言われないまま大人になった人間ばっかになりますね」と。
 
“やれやれ、困ったもんだ”というニュアンスが見え見えで、「結局悪いって言いたいんだよね(笑)」と思ったけど、否定するとか怒るとかは、別に必要がなければしなくていいのであってね。「打たれ弱くなる」とか「人間が馬鹿になる」とかのよく言われる懸念は、問題視しなくていいんじゃないかな。
 
だって、人間の頭の良さなんてものは、「トータルでどうか」という話であってね。「こっちの部分では昔の人に比べて馬鹿になったけど、こっちの部分では賢くなった」という繰り返しだと思う。考えたり書面にまとめたりという作業においては人間の能力はこれから落ちていくだろうけど、そのぶん意思決定が早くできるようになったり、今まで非効率だった現場がAIによって効率化が図れて生産性がアップすれば、トータルでその現場は「全体として頭が良くなった」と評価できるんじゃないかと思う。
 
この前も感心したのが、事業計画書をChatGPTで作成したんだけど、手直しとプリントアウトする時間も含めて30分でできたからね。これまでだったら丸一日かかってもおかしくない内容だから、ビックリだよ。マジで感動した。
 
ただし、有料版に限る。無料版じゃ駄目。こう言うと「佐藤勝人はOpen AI社からマージンもらっているの?」と言われそうだけど(笑)、実際、無料版では使い物にならないんだから仕方ない。そこは相手も商売だからね。Open AI社に限らず、生成AIを提供するどの企業も、有料版と無料版とでは差をつけているよ。
 
 

人に寄り添い、人を動かす
そんな人間のコンサルタントが残る

 
そんなこんなでAIを自社専属コンサルタントみたいに使い始めたわけだが、現時点でわかったことがある。「これから人間のコンサルタントはどうなるか」についてだ。
 
このテーマに対しては今のところ、世間は「人間のコンサルタントは要らなくなる」という見方が趨勢だ。今回の私の話も、ただ読むだけだとこの見方を補強する感じがするだろう。
 
だけど、よく考えてみてほしい。AIが「この戦略が最適」「この施策を行いましょう」「その問題はこうすれば解決」といくら示しても、実行するのは人間の経営者やリーダーだ。そうすると、「わかっちゃいるけどできない」ということがほとんどだ。
 
そこで人間のコンサルタントが必要になってくるんだよ。「つい怠けてしまってできない」とか「心が折れてしまった」という人を宥めすかし、励ましてもう一度やる気を起こさせ、実行させるのは人間のコンサルタントしかできないことだ。また、仮にその施策がチームで進めるものだった場合、「正しい施策なのはわかるけど、あいつがいるから協力したくない」というような感情のもつれから来る障害を間に立って取り除けるのも人間のなせる業。そこを伴走型で一緒に走るコンサルタントが必要になってくる。
 
そう考えると、“AIコンサルタント”がいかに賢くなっても、人間のコンサルタントが要らなくなることはあり得ないと思う。
 
だからさ、人間に本当の意味で寄り添えるのは人間なんだよ、やっぱり。このことを念頭に今後も皆さんを支援していくから、ヨロシク!
 
 
 
■勝人塾IN富山 8月20日(水)‐21日(木)
事務局 滑川ショッピングセンター
 
■勝人塾IN新潟 9月3日(水)
事務局 おぐま経営研究所
 
■第23回 サトカメ栃木MG 9月17日(水)-18日(木)
事務局 サトーカメラ法人販売課 野沢定久
https://forms.gle/FBYoTBkM23wdpCtH9
 
■最新著書「地域密着店がリアルとネットで全国繁盛店になる方法」
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繁盛請負人佐藤勝人の時事国々リポート
vol.106 『ONE PIECE』とChatGPTにハマった今年の夏
(2025.8.20)

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ代表取締役副社長/日本販売促進研究所.商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司チーフコンサルタント/作新学院大学客員教授/宇都宮メディア.アーツ専門学校特別講師/商業経営者育成「勝人塾」塾長

 経 歴  

栃木県宇都宮市生まれ。1988年、23歳で家業のカメラ店を地域密着型のカメラ写真専門店に業態転換し社員ゼロから兄弟でスタート。「想い出をキレイに一生残すために」という企業理念のもと、栃木県エリアに絞り込み専門分野に集中特化することで独自の経営スタイルを確立しながら自身4度目となるビジネスモデルの変革に挑戦中。栃木県民のカメラ・レンズ年間消費量を全国平均の3倍以上に押し上げ圧倒的1位を獲得(総務省調べ)。2015年キヤノン中国と業務提携しサトーカメラ宇都宮本店をモデルにしたアジア№1の上海ショールームを開設。中国のカメラ業界のコンサルティングにも携わっている。また商業経営コンサルタントとしても全国15ヶ所で経営者育成塾「勝人塾」を主宰。実務家歴39年目にして商業経営コンサルタント歴22年目と二足の草鞋を履き続ける実践的育成法で唯一無二の指導者となる。年商1000万〜1兆円企業と支援先は広がり、規模・業態・業種・業界を問わず、あらゆる企業から評価を得ている。最新刊に「地域密着店がリアル×ネットで全国繁盛店になる方法」(同文館出版)がある。Youtube公式チャンネル「サトーカメラch」「佐藤勝人」でも情報発信中。

 オフィシャルサイト 

https://jspl.co.jp/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 YouTube公式チャンネル 

https://www.youtube.com/channel/UCIQ9ZqkdLveVDy9I91cDSZA (サトーカメラch)

https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw (佐藤勝人)

 
 
 

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