B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

トピックスTOPICS

農業の課題解決に新たな光明

 
glay-s1top.jpg
「畑とオフィスをおいしい一皿でつなぐプロジェクト」が始動
いつの時代も、人が生きていくうえで欠かせない“食”。基本的な営みでありながら、食事を健康維持のためだけでなく、コミュニケーションの場や楽しみの一つとしてとらえている人も少なくないでしょう。しかし近年、社会情勢のさまざまな変化により、私たちの食卓にも暗い影が差しています。物価高に加えて異常気象などの影響による野菜の価格高騰のほか、農業従事者の減少をはじめとした日本の農業が抱える問題も、その背景にある課題の一つです。
 
収入の不安定さや農業に対するマイナスイメージによる若手農家の減少、店頭に並ぶまでに鮮度が落ちてしまうといった流通・販路の制約――。農業の持続を阻む大きな2つの構造課題農業の持続可能性を阻む大きな2つの課題を解決に導く、ある協業プロジェクトが2026年6月に発表されました。都内で社食運営やケータリングの企画運営を行うフードコミュニケーションカンパニー・ボンディッシュ株式会社と、長野県諏訪郡原村・茅野市で農産物の生産を通じ農業従事者や農業指導者を育成する八ヶ岳農業大学校が立ち上げた、「畑とオフィスをおいしい一皿でつなぐプロジェクト」。一体、どのような取り組みなのでしょうか?
 
glay-s1top.jpg
農業従事者は2015年から9年間で約60万人減少
glay-s1top.jpg
農業従事者の平均年齢も上昇の一途を辿ってきた
 
 

注目の循環型農業連携プロジェクト

 
glay-s1top.jpg
今回のプロジェクトでの主な取り組み
2022年より埼玉県寄居町と連携し、食品残渣やコーヒーかすなどを原料とした液肥や堆肥を活用する「循環米プロジェクト」を手がけ、収穫された米を「循環米」として自社が運営する社員食堂で提供するなど、資源循環型の米づくりを行ってきたボンディッシュ。一方の八ヶ岳農業大学校では近年、農業DXの推進にも力を入れており、AIを活用した取り組みなど先進的な教育にも取り組んでいます。
 
 
そうした両者の連携による主な取り組みとして、次の5つを順次展開する予定です。
 
・「採れたて野菜マルシェ」の開催
→前日に八ヶ岳で収穫した旬の野菜を都内の社員食堂で販売。通常、収穫から流通に2~3日かかるところ、産地直送で翌日に届けることで鮮度の高い野菜を提供
 
・八ヶ岳野菜を使用した「野菜のホットスムージー」の販売
→社員食堂で提供する人気のワンハンドメニュー「野菜のホットスムージー」に八ヶ岳農業大学校の野菜を使用
 
・野菜の収穫体験
→トウモロコシなどを茎ごと社員食堂へ運び、イベントとして従業員が収穫体験を実施
 
・八ヶ岳農業体験ツアー
→社員食堂導入企業の従業員およびその家族を対象に、八ヶ岳での農作業を体験する農業ツアーを春と秋に実施
 
・食品提供者の視点による学生向け食育講座
→八ヶ岳農業大学校の学生を対象にボンディッシュの食品提供者としての視点から、食をテーマとした講座を実施
 
 

広がる“食”と“農”の新たな循環

 
glay-s1top.jpg
農業に取り組む八ヶ岳農業大学校の学生
都内に販路を持つボンディッシュと新鮮で質の高い野菜を生産する八ヶ岳農業大学校がタッグを組むことで、まさに“畑とオフィスがつながる”今回のプロジェクト。収穫翌日に社員食堂へ届けることで高い鮮度を保てるほか、安定した需要の創出による農地の維持・活用や、学生が生産した野菜が実際に消費される経験を通じた就農意欲の向上、マルシェや農業ツアーを通じた最先端の農業の魅力発信など、農業の持続可能性に貢献する仕組みとして、大きな可能性を秘めています。一方で、社員食堂を導入する企業にとっても、従業員の慢性的な野菜不足の解消や、食を通じたコミュニケーションの活性化、さらには出社したくなるオフィスづくりにもつながり、双方にメリットをもたらす新たなモデルとして関心が高まっています。
 
農業の現場とオフィスを食でつなぐこのプロジェクトは、農業の持続可能性を支えるだけでなく、社員食堂の新たな価値創出にも寄与する取り組みです。まずは2026年7月より都内の社員食堂や社内カフェで導入され、今後の取り組みの広がりにも期待が寄せられています。生産者、企業、働く人の三者がメリットを享受できる新たな循環型モデルとして、今後の歩みにも目を向けていきたいところです。
 
glay-s1top.jpg
新鮮な野菜を都内の社員食堂で販売!
glay-s1top.jpg
コーヒー代わりに手軽に野菜の栄養とおいしさを
 
 
 
ボンディッシュ株式会社
https://www.bondish.co.jp
 
八ヶ岳農業大学校
https://yatsunou.jp
 
 

関連記事

最新号のご案内New Release

BusinessPlus 2027年7月号

最新トピックス記事

カテゴリ

バックナンバー

コラムニスト一覧

最新記事

話題の記事