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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
 
現役時代は競技に集中しつつも引退後の生活についても考え、できるだけ自分のやりたいことができるように準備を進めていたという長﨑さん。現在は大きな目標を立てることはないそうだ。
 

やりたいことをやりたいときに!

 
そうなんです。私は10代の頃から目標にしていた実業団に入れたので、一度、自分の夢を叶えることができました。だから今は、何か大きな目標を立てるよりも、したいと思ったことに何でもチャレンジして、その過程を大切にしたいと思っているんです。
 
仮に目標を立てるとしてもぼんやりイメージする程度にして、あまり具体的な目標は設定しない。それよりも一日一日を楽しむために生きていますね。仮に新しく何かを始めたとして途中でフェードアウトすると、周囲の人は「もうやめちゃうの?」「また違うこと始めたんだ」と思うかもしれません。それは確かにそうだし、そう思われても仕方ない。でも、仮に私に意見をくれた方が、1年後にそれを私に指摘したことを覚えているかと言ったら、そんなこともないと思うんですよ。けっきょく人生は自分のもの(笑)。人生の主役は自分なので、やりたいことをやりたいときに――というのが引退してからのモットーになっていますね。
 
 
現在は大きな目標を立てることはないとはいえ、長﨑さんは一度、ソフトボールの実業団に入って活躍するという大きな夢を叶えた経験がある。では、それを達成できたのはなぜなのか。
 

ソフトボール選手に“なる”という決意

 
初めてソフトボール選手になりたいと思ったのは小学校6年生の頃で、アメリカ人のミッシェル・スミスという選手のプレーを見たときでした。その瞬間私は、ソフトボール選手になりたいではなくて、“なる”って決心したんです。ではそこに向けて、今日は何をするのか、来週は、今月は、今年は――という感じに短めの目標を立てて、ともかく目の前のことに一生懸命取り組むことを意識していました。
 
実は私、勉強がそんなにできなかったんですよ。だから当時は、「ソフトボールで身を立てないと人生が終わっちゃうかもしれない」くらいに必死だったんです。親から「勉強ができなくてどうするの」と叱られても「ソフトボール選手になるから、勉強のことは何も言わないで!」と懇願していました。そういう意味では切羽詰まった気持ちで競技に取り組んでいたので、頑張り続けられたのかもしれないですね。