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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

生販直結のビジネスモデルで
“食のあるべき姿”を創造する

 
 
米山社長が店舗に求めているのは、地域に根差した個人経営の居酒屋のようなイメージだ。地域の人気店にはリピーターとしての常連客がいて、店主やスタッフらとの交流も顧客の一つの楽しみとなっている。チェーン展開で見事にそうしたサービススタイルを構築している同社のブランドは、今後も国内各地で顧客に喜びを与える店舗として育っていくのだろう。では、同社が見据えるその先とは? 
 
 

生販直結のモデルで販売チャネルを拡大する

 
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 当社の柱であるブランドは 「塚田農場」 と 「四十八漁場」 です。この先も当然店舗数は増やしていきますが、マーケティング調査をした感触では、今後国内各地に出店しても、恐らく400店舗くらいで出店可能エリアを埋めつくすことになるのではないかと考えています。現在の店舗数の倍以上増やせる余地があるとも言えますが、今のペースでいったとしたら、あと7~8年で当社の成長が止まってしまうでしょう。
 そこで、現在のビジネスモデルを核としながらも、多角的に事業を展開するための施策を打ち出しています。その一環として2012年に、シンガポールに海外1号店を設立しました。経済発展が見込まれている東南アジアに進出するための足がかりとして、まずはシンガポールで当社のブランドの認知度を高めつつ、周辺諸国に展開するための方法を模索していく予定です。日本で行っているように、現地で食材を生産する事業展開もイメージしています。まずは、シンガポールで様々な試みをしていくことになるでしょうね。
 また、国内では年内をメドに、新しいブランドとしてお蕎麦を楽しめる店舗を出店予定です。ビジネスモデルは当社の他のブランドと同じく、「生産と販売の直結」 です。立ち食い蕎麦のチェーン店さんなどで国産の蕎麦粉を使用している企業さんはないと思います。でも、当社の場合は国内の生産者から直送される蕎麦粉を使用しますから、コストを抑えながらも、蕎麦特有のよい香りがする、品質の高い蕎麦を提供できます。
 他にも埋もれている地域の名産を生産者の代わりに当社で販売していく通販事業なども検討しています。さらに、「四十八漁場」 など鮮魚を扱う居酒屋でたくさんの漁師さんと提携してスケールメリットを出していくために、小売業に進出することも考えていますよ。そんなふうに、既存ブランドの拡充と先を見据えたブランドの多角化を同時並行して進めているところです。もちろん、どんな事業をするにしても当社のビジネスモデルである、「生産と販売を直結する」 やり方は変わりません。培ってきたノウハウを他の食材などで活かし、様々な販売チャネルを構築していくわけです。
 
 
 
外食産業は果てしない価格競争が続き、もはや閉そく感すらある状況だが、少し視点をずらして視野を食品産業全体に向ければ、97兆円もの市場が広がっている。米山社長は 「食品産業全体で見れば、まだまだやれることはたくさんあるし、ブルーオーシャンが広がっている」 と強調する。
 
 

「食のあるべき姿を創造」していく

 
 これまでの経験で言うと、新規のビジネスというのは試してみないと、自社のノウハウの何が通用して何が通用しないかはわかりません。海外展開は今のところ、「当社ならではの」 というオリジナリティがはっきりしているわけではないですが、日南市に養鶏場を立ち上げることで見えてきたように、その国ごとで、当社にしかできないような付加価値が創出していけるといいですね。
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 私は拙著 『ありきたりじゃない新・外食』 の中で 「食のあるべき姿を創造する」 ということを書きました。もちろん、今現在もその 「あるべき姿」 がなんであるのかは見出せていません。しかし、当社のビジネスモデルを崩さずに、販売チャネルを増加しながら相互にシナジーを生み出していけば、さらに先に進むべきアイディアが湧いてくるはずです。それを繰り返していくうちに、当社の企業規模も今よりずっと大きくなって、食品業界全体に一石を投じられるくらいに成長しているかもしれません。
 そのために、組織を固めつつも人材については多様性を持って、意欲旺盛で様々な能力のある人たちを迎え入れていきたいです。見える景色に常に変化をもたらし、先へ進む原動力を与えてくれるのは、新しい人材だと思っています。なぜなら、当社が行っている事業はこれまでもそうでしたが、決して既存の成功例を踏襲していくものではないからです。常に未知の領域に飛び込み、そこで社内一丸となって、一人ひとりが汗をかきながら試行錯誤を繰り返していく。そんな前例のないフィールドで新たな挑戦を続けていくことが、「食のあるべき姿」 を見出すための道だと信じて、これからも事業に邁進していきます!
 
 
 
 
(インタビュー・文 佐藤学 / 写真 Nori)
 
 
  会社概要  
株式会社エー・ピーカンパニー
  所在地  
東京都港区赤坂2-17-22 赤坂ツインタワー東館18F
  オフィシャルサイト  
 
(この情報は2013年10月1日現在のものです)
 
 
 

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