医療とも連携しブームから文化へ
少人数制のピラティススタジオ
医療分野とピラティスをつなぐ取り組み
スタジオに併設されたサロンでは、メディカルアロマセラピーや整体も受けられる
大きな窓から自然光が差し込む、開放感あふれるスタジオ
辻 そうなんです。実は現在、弊社のスタジオに通われている方の半数以上は身体の不調の改善やリハビリを目的とした方、産前や産後の方なんです。私自身、妊娠・出産を経験していますし、現役時代にはケガにもずっと悩まされてきました。だからこそ、体に不安を抱える方にピラティスを届けることには、強い使命感があります。
水野 なるほど。ご自身がこれまでの経験の中で、痛みや不安を感じた当事者だからこそ、同じような悩みを抱える方に届けたいと思われたわけですか。
辻 おっしゃる通りです。米国や欧州などでは、医療とピラティスが自然と連携している環境を目にしてきました。しかし、私が帰国した頃の日本ではまだそのような考え方がほとんど浸透していなかったんです。そこで、私は産前・産後のケアやリハビリなどの分野から、医療との連携の道を模索し始めました。その後、2016年には乳がん学術学会でピラティスの可能性について発表する機会をいただきまして。そこから、さまざまな先生方とのつながりが生まれていきました。さらには、全国各地で開催されている医療学会に参加し、各地の病院やクリニックなどにも足を運んで、「この先生なら話を聞いてくれそう」と思った医師とお話をさせていただく機会をつくっていたんです。
水野 全国各地も回っていたとはすごい行動力です。まさに草の根活動ですね!
辻 そうですね。多忙でなかなかアポイントが取れないという方とは、会えるまで病院内で何時間も待っていたこともありました(笑)。ただ、当時の日本ではピラティスそのものが浸透していないこともあって、その効果を裏付けるエビデンスもまだ十分ではなく、根拠がないものに対して懐疑的な医師も多くいらっしゃいましたね。

辻 そうなんですよね。そこで、協力していただける医師の方とは「一緒にエビデンスをつくりましょう」というところから始めていきました。その甲斐もあって現在の弊社には、理学療法士や看護師などの医療従事者も所属していますし、スポーツドクターなどとも連携しています。治療と運動を分断するのではなく、その人が日常生活や競技の場へ戻り、その先でもっと動ける体をつくるところまで支えていきたいと考えているんです。
水野 まさに、医療と運動の間をつなぐ存在なんですね。私自身もリハビリを経験したからこそ、その必要性は本当に実感します。

