インタビュアー 宮地真緒(女優)
松浦 ええ。震災を機に、地元のために何かしたいという思いが強くなり、翌月には会社を辞めて就農しました。もともと実家の農業を継ぎたい気持ちもあり、迷いはなかったですね。消防団にも入り、地域のためにできることを模索し続けています。
宮地 地元のために何かせずにはいられない、という思いが就農につながったのですね。法人化にも、何かきっかけがあったのでしょうか?
松浦 就農から9年ほどたった頃、高齢を理由に離農する方が増え、「うちの田んぼも任せたい」と声をかけていただくようになりました。農地は放置すると荒廃し、再び活用するのが難しくなります。そこで「地域の受け皿になりたい」と考え、委託された農地を管理できる体制を整えるため、2020年に法人化したんです。現在は約85ha、東京ドームおよそ18個分の農地で米を中心に栽培し、その95%が地域の方から委託された農地です。
宮地 それだけ多くの農地を任されているのは、地域からの信頼があってこそですね。
松浦 ありがとうございます。私自身、地域の方々から信頼していただくことを何より大切にしています。スタッフにも「道路に泥を落としたら必ず掃除する」「知らない方にも気持ちよいあいさつをする」と、細かな配慮を心がけるよう伝えています。「田んぼを任せたい」と思っていただけるのは、そうした日頃の積み重ねがあってこそですから。

松浦 はい。従来はJAや商社を介して販売するため、どうしても農家が自分で価格を決めにくいというジレンマがありました。そこで、価格高騰による消費者の皆様の負担を抑えたいという思いから、楽天市場でのネット販売を始めたんです。それによって余分なコストを抑え、適正な価格で販売できるようになったんですよ。今後も「また食べたい」と言っていただけるお米をつくりながら、地域密着型の農業を続けていきたいですね。
宮地 ネット販売は、生産者と消費者、双方にとって嬉しい仕組みなのですね。松浦代表のような方がいれば、日本の農業の未来は明るいと感じました。これからも多くの方においしいお米を届けてくださいね!
「仕事を楽しむ」とは‥
「やらない後悔よりやる後悔」を座右の銘に、毎年新しいことに挑戦しています。お米は年に一度しかつくれませんから、やろうと思ったことは積極的に取り入れていくんです。たとえ失敗しても、その経験を生かして次の対策を立てることができますからね。そうした試行錯誤も、私にとっては楽しみの一つです。
(松浦 正博)


