犬種本来の美しさを形に
追求し続けるグルーマー
トリミングが体の負担になる犬種もある

阪口 ええ。トリミングはワンちゃんの毛をカットすること。一方、グルーミングはただ被毛を刈るだけでなく、皮膚や被毛の管理を含め犬の健康を総合的に管理していて、例えば爪を切るなど“犬の手入れ”のすべてのことなんですよ。当店では犬種に合わせた施術で、その子が持つ本来の美しさを引き出すことを大切にしています。
タージン 見た目を整えつつ、プロの視点から健康状態も定期的に確認できるとは素晴らしいですね。ちなみに、犬種に合わないカットをしている店も多いのでしょうか?
阪口 そうですね。その犬種が持っている本質的な美しさを表現できていないサロンが多いと感じています。例えば、マルチーズやシーズーのような長毛種のワンちゃんを、縄状毛のプードルのようにテディベアカットで仕上げるのは無理があります。私は、マルチーズなら細く柔らかいシルキーコートの毛質を活かし、美しく伸ばしてあげたいです。また皮脂を分泌するペースなども個体差がありますから、私は「これぐらいの頻度でシャンプーにいらしてください」と説明し、適切なアドバイスをしています。
タージン なるほど。犬種による特徴を考えないサロンは多い中、こちらでは、1頭1頭に合った施術をしてくださるのですね。
阪口 はい。中には「とにかく短くすれば良いだろう」と、流れ作業でカットする店が残念ながら乱立しています。これは業界の責任ばかりではなく、「毛が伸びたから切ってほしい」とオーダーする、その犬種に合ったグルーミングを考慮しない飼い主様がいらっしゃるのも原因の一つだと思っています。ワンちゃんは毛を刈るのが当然と考えがちですが、例えばプードルやビション以外のダブルコートを持つ犬種、人間と同様に毛が伸びる連続性の被毛を持つ犬種に、バリカンなどで施術をすると毛質が変わってしまうんです。また、一括りに連続性と言っても、被毛の種類も犬種ごとに違いますので、当然、手入れや使う道具も変わってきます。
タージン 私のマルチーズも、「毛を短くしたら涼しいよね」ぐらいの気持ちで、毎年夏になる前にカットしに行くことが多かったのですが、それが犬種に合っているカットなのか、もっと深く考えなければと、阪口オーナーのお話をうかがって気付きました。それこそ確かな知識と技術を持つ阪口オーナーのもとであれば、安心して施術をおまかせできると思います。
阪口 タージンさんにそう言っていただけると嬉しいです。ペット業界にはほかにも問題がございまして。骨格が曲がっている、色素が薄かったり、遺伝子レベルの病気を患っていたりするワンちゃんを、利益のため次々と無理に繁殖させ、市場に出すブリーダーの方もいらっしゃいます。そのような事情を知らずに高額で買った飼い主様が、見た目をかわいらしくするために、犬種やワンちゃんの個性に合わないトリミングをしようとするケースもあるんです。ドッグサロンもそうした要求に応じると、不幸なワンちゃんがますます増えていってしまうんですよ。
タージン それは悲しいなぁ。見た目がかわいいからと言って、雑に繁殖して良いはずがありませんよね。犬の知識が増えていき、嬉しい限りです。ワンちゃんを探す方には、良いブリーダーさんを見つけてお迎えしてほしいですね。
阪口 おっしゃる通りです。そのためにも、スタンダードな犬種の基準を守って繁殖を行っている“シリアスブリーダー”と呼ばれる方々のもとでお迎えしてほしいですね。健全なブリーダーが集まる場が実は、犬種本来の美しさや、標準にどれぐらい近いかを評価する、“ドッグショー”なんですよ。私もてんのオーナーハンドラーとしてドッグショーに参加し、数多くの経験を積みながら技術向上を心がけているんです。
タージン それは悲しいなぁ。見た目がかわいいからと言って、雑に繁殖して良いはずがありませんよね。犬の知識が増えていき、嬉しい限りです。ワンちゃんを探す方には、良いブリーダーさんを見つけてお迎えしてほしいですね。
阪口 おっしゃる通りです。そのためにも、スタンダードな犬種の基準を守って繁殖を行っている“シリアスブリーダー”と呼ばれる方々のもとでお迎えしてほしいですね。健全なブリーダーが集まる場が実は、犬種本来の美しさや、標準にどれぐらい近いかを評価する、“ドッグショー”なんですよ。私もてんのオーナーハンドラーとしてドッグショーに参加し、数多くの経験を積みながら技術向上を心がけているんです。