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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

道具じゃない、グラブは あなたの相棒だ!
丸和株式会社 代表取締役社長 丸橋暁

 
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インタビュアー 今岡真訪(野球解説者)
今岡 大阪市で野球グラブ・ミットの製造販売、輸入を手がけている丸和株式会社さん。丸橋暁代表取締役社長にお話をおうかがいします。戦後に起業された歴史ある会社だそうですね。2019年には、自社ブランドD-Quest(ディークエスト)を立ち上げられたとお聞きしました。ぜひ、その経緯を教えてください。
 
丸橋 1949年、父を含めた三兄弟が奈良からこの地へ出てきて、現在の弊社の基礎である、小さな工房を立ち上げました。最盛期は、グラブを生産しアメリカへの輸出を行っておりましたが、ドルショック、オイルショックを経て、国内のOEM生産へと事業の形を変えていったのです。現在は、少子化や競技の選択肢の多様化が進み、日本の野球人口の減少という、概況および時代の大きな変化に直面しています。在庫を持たない方針のメーカー様も増え、工場の存続を脅かす要因の一つにもなっています。そこで、「どうしたら会社のファンを増やせるか」「どのようにしたら職人たちのモチベーションを上げていけるのか」という難課題について私なりに考え、その結果として、お客様と職人が直接対話できる環境づくりこそが必要だと感じました。それが自社ブランド立ち上げの大きなきっかけになりました。
 
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今岡 なるほど。職人さんの成長を第一に考えた挑戦が、自社ブランドだったのですね。D-Questの製品を拝見すると、着物柄や白を基調とした、カップル向けの「ウェディンググラブ」など、既成概念にとらわれないユニークなものが多くて驚きました!
 
丸橋 ありがとうございます。弊社では、そうしたオーダーメイドグラブの依頼を承っています。弊社に依頼をくださったお客様は、直接工場に来て職人と対話をしながらグラブを一緒につくり上げていくことができます。OEMが中心だった頃は、お客様と職人の間にワンクッション挟んでいたため、どうしても要望が伝わるまで時間がかかりました。今は直接お客様の要望をうかがえるので、一緒につくっていく楽しみもあり、職人にとっても大きな刺激となっています。