
インタビュアー タージン(タレント)
杉林 薬剤師として大手製薬会社や大学病院などに勤務しておりました。JICA青年海外協力隊としてガーナ、バングラデシュ、専門家としてウガンダに赴任した経験もあります。最初の赴任先であるガーナ共和国の僻地には、当時水道・電気・ガスが通っておらず、そのような環境下での病院での勤務でした。当然成す術もなく、多くの人が亡くなります。でも現地の人達は過去に囚われず、何がそんなに嬉しいのかと不思議に思うほど笑顔でたくましく生きているんです。次第に、「ものであふれた環境にいることが幸せにつながるわけではない」と考えるようになりました。また度量の深いアフリカの人々は「As you are」と子供を育てると言っていました、他人と比較しないんですね。ウガンダの高官達からは「先進国の二の舞はしたくない」との葛藤をうかがい、“開発”の意味について考えました。確かに自然から離れると浮足立つんですよね。それで、自然の中で半自給自足を目指してこの土地建物を購入しました。そして関西万博の年に念願の自営業をする決意をしたんです。
タージン 物質的に豊かとは言えない土地での経験から、自然と調和した暮らしを選ばれたと。
杉林 ええ。身心一如の考えを軸に、健康と幸福、自然と共に生きることについて模索しながら、今年2025年4月に“地域初”の民泊を始めました。コンセプトは屋号のとおり、Retreat(リトリート)。頌徳碑がある人物の家だった建物を再生しました。庭や畑、池や山がある大自然の中で、本物の日本の伝統的な生活を体験できることが特徴です。

杉林 客室は5名様までの和室と4名様までの洋室の2タイプ。24畳の和室は、夏は御簾戸、冬は雪見障子に入れ替えます。茶室には釣り炉、65㎡の吹抜けリビングには薪ストーブや螺旋階段が、台所にはおくどさんがあります。朝食付きで、おにぎりと自家製味噌の味噌汁、または当館で焼き上げたパンとコーヒーのセットからお選びいただけます。