
インタビュアー 宮地真緒(女優)
泉谷 もともと、西洋アンティークのお店を国分寺で営んでおり、お客様のお引越しを手伝った際に廃棄される着物をいただいたんです。それを何か別の形に有効利用したいと考えたときに日傘がひらめきました。さっそく日傘を購入して全部ほどき、着物の生地を当ててみたのが最初です。これがお客様にも好評で、すっかり制作に夢中になりました。
宮地 色や模様の重なりが映えますし、さしたときの曲線も優美で素敵! 日傘って、どうしても単色になりがちですから、新鮮です。
泉谷 つくり始めたらどんどん欲も出て、例えばこちらの日傘は、内側にも生地を合わせることで柄を見せつつ、傘の骨組も隠しているんですよ。手もかかりますし難しい作業なので、ここまでする方はなかなかおられないと思います。
宮地 これは着物や浴衣に合わせたくなりますね。細部に蘇匠のこだわりが感じられます。

宮地 ちなみに、1本の傘をつくるのに、どれくらいの着物を使われているんですか?
泉谷 基本、1枚の着物からいい部分だけを取るようにしています。また、着物以外に帯を使った日傘や帽子、ポーチなども手がけており、帯は生地がしっかりしているので遮光とUVカットに長けていて評判ですね。