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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

内装工事から表具まで 和を仕上げる伝統職人
ハカゴシ表具内装店 代表 墓越功

 
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インタビュアー タージン(タレント)
タージン 神戸市中央区に拠点を置くハカゴシ表具内装店さんにお邪魔しています。創業は1993年だとお聞きしました。さっそく、主な事業内容を教えていただけますか。
 
墓越 建物の仕上げ工事を手がけています。壁のクロス貼り、フローリングの床やクッションフロアなどの内装工事全般が担当です。
 
タージン 屋号にある「表具」についても詳しくお聞きして良いでしょうか。最近はなかなか耳にしなくなりましたよね。
 
墓越 そうかもしれませんね。表具は額・掛け軸・屏風・ふすま・障子・衝立・巻物など、布や紙を貼り合わせてつくるものの総称です。ふすまや障子は和室のある住まいに欠かせないものですよね。また、お客様が描いた書画を額や掛け軸に仕上げるのも私たち表具師の役目でして。自宅に飾るものだけでなく展覧会に出品する作品をお預かりすることも多いんですよ。
 
タージン 表具師はきれいに仕上げるのが当たり前の仕事なのでしょう。ハードルが高いので非常に神経を使う毎日だと想像できます。でも、完成した作品を見たお客さんに喜んでいただけると疲れも吹き飛ぶでしょうね。墓越代表がこの道に進まれたきっかけは何だったのでしょう?
 
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墓越 もともと父が表具師だったんですよ。私は子どもの頃からプラモデルやラジオをつくるのが大好きでして。はんだ付けに熱中し、気が付いたら夜が明けていたということもよくありました(笑)。ただ、表具の仕事に興味を持っていたわけではありません。社会人としてはゲーム会社に就職したんです。ところがその半年後、父が病に倒れました。
 
タージン それは急なことでしたね。墓越代表も人生の選択を迫られたのでは?
 
墓越 ええ、父から「家業を継いでほしい」と頼まれた私は21歳で会社を退職し、表具師の師匠に弟子入りして8年間にわたり修業を積みました。そうして技術を身に付け実家に戻ってきたものの、なかなか順調な歩みとはいかなかったんですよ。