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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

児童養護施設が取り組む
“ふつう”の子育て!

 
 
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原田 ありのままの自分たちを大事にしているわけだ。無理に理想を追い求めないというのは、福祉の世界では斬新な考え方のように感じます。
 
 そうなんです。この業界の常識や固定観念ではなく、一般家庭における“ふつうの子育て”の中にこそ、子育ての宝があると考え、今年2023年5月に刊行した書籍『鹿深の家の「ふつう」の子育て』にまとめました。専門書というと、子育てにおけるマニュアルのようなものや、理論のようなものが描かれることが通常と思いますが、私たちはあえて、職員の視点のみに特化し、職員の感情の機微などを描き、子育てにおける葛藤を描き出したのがこの本なんですよ。Amazonでも販売しているので、ぜひお手に取っていただきたいです。
 
原田 確かに、普通でいるのはものすごく難しいことですよね。それを子育ての方針に掲げる鹿深の家さんならではのチャレンジを、ぜひ、多くの方に知ってもらいたいです。
 
 ありがとうございます。例えばテレビドラマを観ていると、犯人は児童養護施設で育った悪者だったいう展開がよくありますよね(笑)。でも、児童養護施設は荒んだ場所ではありませんし、子どもたちも悪人でもなんでもありません。私たち職員も明るく元気に働いています。今日は少しでも児童養護施設のことを知っていただくことができて良かったです!
 
原田 お話をうかがって、児童養護施設の印象が大きく変わりましたよ。児童養護施設にネガティブなイメージを持っていた自分が恥ずかしいです。
 
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 鹿深の家も開園から60年が過ぎ建物の老朽化が目立ってきました。そこで建て替えを進めていまして。ただ、最近の物価高騰で建築費が上がり、本来なら外構等も含め大規模な改修を実施したかったのですが、予算超過によって、外構や、設備などを削るしかなくなったんですよ。そこで、当法人はクラウドファンディングを今年11月にスタートしようと計画をしています。私たちを受け入れてくださった地域のみなさんのためにも、子どもたちに新しい暮らしを提供したいので、一人でも多くの方に賛同していただければと願っています。
 
原田 子どもたちが快適に暮らせる環境が整備できるといいですね! スタッフさんには今後も笑顔で子どもたちを見守っていただきたいですし、生まれ変わる鹿深の家さんが、ますます地域に幸せを届けられるよう私も応援しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
私のテーマは何事も本気で取り組むこと。ですから、大人も子どもたちと一緒になって思いっきり遊ぶことを大事にしています。大人が本気で楽しんでいる姿を見せることが、これから大人になっていく子どもたちに「大人って楽しそうなんだな」と感じてもらえて、イキイキとしてくるんです。
(堺稔)
 

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